卵は1日に1~2個食べても問題なし! 悪玉コレステロールは怖くない! これまでの常識をくつがえすコレステロールについての「新常識」をご紹介。今回は芝浦スリーワンクリニック 名誉院長の板倉弘重(いたくら・ひろしげ)先生に「コレステロールの新常識」についてお聞きしました。
【前回】健康な人はコレステロール値がやや高め...! 「コレステロール」と正しく付き合う5つの新常識
ズボラでもできる!
いつもの食事でコレステロールを下げる
厳しい食事制限は必要なし。いつもの食卓に工夫をプラスして。
【新常識】卵は1日1~2個なら問題ナシ
「ひと昔前まで『卵は1 日1 個まで』などと言われていましたが、卵がコレステロール値を大きく上昇させることはなく、健康であれば2個以上食べても問題ないことが分かっています。ただ、カロリーの摂り過ぎは問題ですので、1日1~2個くらいがおすすめです」(板倉先生)
【新常識】油=悪じゃない!
「油は健康な体を維持するために必要な存在。摂取し過ぎるのは問題ですが、適量であればむやみに避ける必要はありません。オリーブオイルやえごま油といった油には、実はコレステロールを減らす作用も。1日35~45gを目安に、質の良い油を摂取しましょう」(板倉先生)
OKな油
・えごま油
・アマニ油
・オリーブオイル
・なたね油
・コーン油
etc.
要注意な油
・マーガリン
・ショートニング
・古い食用油
etc.
【新常識】1日2個の生しいたけが悪玉コレステロールを減らす
「しいたけに含まれるエリタデニンは悪玉コレステロールの合成を抑制。ナイアシンは中性脂肪の合成を抑制し、悪玉コレステロールを減らします。毎日2 個、栄養が水に溶けるため汁物にして食べると効果的です」(板倉先生)
【新常識】豆腐や納豆の大豆が効果大
「高コレステロールが気になる方には、大豆が有効。胆汁酸の生成が盛んになり、悪玉コレステロールを大量に消費します。脳梗塞予防に効果的な納豆や、ミネラルが豊富な高野豆腐もおすすめです」(板倉先生)
【新常識】青魚もいいけど鮭もいい!
「青魚に含まれるEPA やDHA のほか、鮭やエビなど赤い魚介類のアスタキサンチンや、タコやイカ、アサリ等に含まれるタウリンも、コレステロール対策に有効です」(板倉先生)
【新常識】キャベツは生のまま!
ビタミンU が肝臓に脂肪が付くのを防ぎ、中性脂肪やコレステロール値を改善。加熱すると栄養分が壊れるので、生で食べるのがコツ。
【新常識】わかめは味噌汁で
汁に栄養がいっぱい!
わかめに含まれるアルギン酸は、コレステロールの消費を促し、ナトリウムを体外に排出する作用が。水に溶ける性質があるので、汁物が◎。
【新常識】にんにくは生より焼き
にんにくの含有成分・アリインには、コレステロールを分解し、中性脂肪の分解と燃焼を助ける働きが。焼くことで胃腸への負担が軽くなり、においも軽減されます。1 日2 〜3 片が目安。
【新常識】鶏肉は皮を取ればなおヘルシー
鶏肉は、豚や牛に比べてコレステロール値を上げにくい優良食材。皮は脂が多いので、調理時に取り除くとより低カロリーになり効果的です。
【新常識】ブロッコリー は油分と一緒に!
ブロッコリーなど色の濃い野菜に含まれるβ-カロテンは熱に強く調理に向きます。脂溶性なので油とともに食べると吸収率がアップ!
【ブロッコリーのおすすめの食べ方】
温野菜サラダにして、オリーブオイルをかける/少量の油でソテーする/シチューに入れ、仕上げにアマニ油を少量垂らす
【新常識】りんごは皮をむかずに食べる
切ったらすぐ食べるのも効果的
赤いりんごの皮には、活性酸素を除去し悪玉コレステロール値を下げるアントシアニンが含まれています。しっかり洗って食べましょう。
取材・文/和栗 恵 イラスト/たつみなつこ