超高齢社会の現代において、認知症は誰もがなりうる病気の一つ。脳は体よりも老化が早いといわれています。10の新常識を知って、脳の健康寿命を延ばしましょう。今回は、アルツクリニック東京院長、順天堂大学医学部名誉教授の新井平伊(あらい・へいい)先生に「『脳寿命』を延ばす新常識」をお聞きしました。
【前回】だらだらと歩くだけでは意味がない!? 効果が3倍になる「ながら行動」を取り入れた「脳が働く散歩法」
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【新常識】毎日少しずつ大腿四頭筋を鍛える
回数や時間の達成感より継続することが大事
認知症の予防には、体の機能を保つための運動も欠かせません。
「まず鍛えるべきは、太もも表側の大腿四頭筋です。体の中で最大の筋肉で、使わないと基礎代謝が落ちて太りやすくなる他、免疫力低下にもつながります」と新井先生。
下のような運動が適していますが、人により体力や体調が異なるため、回数は一概にいえません。
「重要なのは、少しずつでも毎日続けること。テレビを見ながら5分行うだけでも、やるとやらないでは大違いです」と、話します。
呼吸をしながら少し汗をかく程度にゆっくり体を動かす、ウォーキングなどの有酸素運動も効果的です。
週3回、30分程度が推奨されていますが、これも続けることが大事。
下記の運動と少しずつ組み合わせて行っても良いそうです。
四股(しこ)踏み
相撲の基本動作。足を肩幅より少し大きく広げ、ひざ上に手を添えて左右交互に高く上げます。
貧乏ゆすり
つま先を支点にし、小刻みにかかとを上げ下げ。周囲に人がいないときにおすすめ。
スクワット
足を肩幅に開いて背すじを伸ばし、ゆっくりひざを曲げて腰を下ろし、ゆっくり上げます。
日常の運動
歩いて買い物に行く、階段を上り下りするなど、日頃から運動する習慣を取り入れます。
×きついマシントレーニング
厳しいトレーニングは長続きしません。高い目標設定も良くありません。
【次回】脳の老化や認知症の予防には「対人ゲーム」がおすすめ♪ 「勝つ意欲」が前頭葉を刺激する
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取材・文/岡田知子(BLOOM) イラスト/藤田ヒロコ