アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と3ニャンとで暮らしています。私の嫁時代の体験を思い出しながら書いています。
前回の記事:入院している姑の次の行き先は? 「仕事が忙しい」と探そうともしない夫についにブチ切れた!/かづ
姑の入所日が翌月の1日と決まった。
その事を舅に知らせると「そしたらお願いするわな」と言うので、「お義父さんも行くんやで!」と言うと、「そうか...行くんか...」と呟いた。
舅は姑に関しては、本当に無関心だった。
むしろ、なぜ自分にいちいち言うのかと不思議に思っていたくらいだった。
私が何度「お義父さんはお義母さんの夫だから」と言っても、「息子夫婦に一任しているんだから自分は含めずに進めてくれるもんだ」と思っていたようだ。
そもそも舅にとって家族とは、自分が考えなければならない位置に居るとは考えておらず、それらすべては妻である姑が担当し、自分はとにかく小遣い内で好きな物を買い好きな事をし、酒が飲めれば何がどうなろうと関わり無いと生きてきた。
私には姑自身が舅を含めて「家族」なんだとは考えてはいないように見えていて、それが長年の生活の中で、舅姑がお互いに「欲」の絡むだけの関係になっていたのだと思った。
姑も姑で、夫が公務員である名誉欲であったり、これと言ってお金に困る様な事無く生活ができ、あちらこちらに行こうと何を買おうと一切文句も言われず、今で言えば舅をATMと割り切ってていたように見えた。
舅にしてみても、せっかく友人が掛けて来てくれた電話や、わざわざ立ち寄ってくれた友人を玄関口で姑が罵って追い返そうとも、元々友達が要らないタイプだったのか、舅はなんせ酒さえ飲めればその他の事はどうでもいいように見えた。
恐らく長年の姑の態度から、それが一番の家庭内平和だと、表現は悪いが、ある意味洗脳に近いほど飼い慣らされてしまったのだとも思った。
息子がどうなろうと孫がどうなろうと、酒さえ好きに飲めればどうでもいい。
よって、当然今回の姑の認知症なども例外ではなく、舅にとってはどうでもよかったのだ。
かと言って、では舅は外してとなるのは私が納得いかない。
別に感謝をして欲しいとは思っていないが、舅はもともと自分の務めだと思っていないので、いくら姑の介護に私が動こうとも、全く無関心なのだ。
舅ひとりのうのうとさせてたまるものか。
姑の退院と同時に入所の日。
病院に着くなり「僕ここで待っとくわ」とすかさず言う舅。
カチンときたが、荷物を持つわけでもなく、姑の手を引くわけでもないので足手まといだから車にいて貰う方が助かる。
夫と二人で病室まで姑を迎えに行ったが、相変わらず認知症の症状が進んだと言う割には私だけしか分からない姑。
息子である夫を見ても無表情だった。
車に戻って姑を舅の隣に座らせ、舅が何やら声掛けても姑は舅を見向きもせずに無視をしていた。
恐らく姑の中ではすでに舅は見知らぬどこかの年寄りなのだろう。
病院から車で2時間近くかかった所にその施設はあった。
自宅からも車で1時間はゆうに掛かる所だが、そんな辺鄙な場所だからこそすぐに入れたのだろう。
車を施設の駐車場に停め、姑を降ろして夫に荷物を持つように言う。
もちろん今度は舅にも降りるように言った。
ここで降りなければ、何しに舅が一緒に来たのか。
正面玄関の扉が開いた途端にかすかな糞尿の臭いが漂ってきた。
一瞬、「既にこんな所から臭っていると言う事は...」と悪い予感がした。
1階の受付で手続きをしていると、背後のエレベーターが開いて介護職員2名が迎えに降りて来てくれた。
建物は3階建てで、1階は面会室であったり広間があった。
姑は3階との事で、エレベーターが3階に到着してドアが開いた途端に今度は更に息が詰まる程に糞尿の臭いが襲い掛かって来た。
職員はもう慣れっこなのだろうか。
それともいちいちそんな事を気に掛けてはいられないって所なのか。
2階と3階は居室になっていて中央にテーブルと椅子があり、そこで入所者数人がテレビを見ていた。
しかしながら自由にエレベーターには乗る事は出来なくなっていて、乗る時は職員が専用キーで操作しないとボタンが押せない仕様になっていた。
「お帰りの時は開けに来ますから。そうじゃないと勝手に乗って行っちゃうんで」
職員がそう言う間も、隙あらばと入所者数人がエレベーター前に詰め寄って来て乗ろうとする。
私は夫や舅が、こんな所に姑は預けられないと言い出したらどうしようかと思い顔をうかがったが、それは杞憂だった。
夫はさっさと終わらせたいが顔に出ていて、舅は見学にでも来ているように「あっちの部屋は何や? これはご飯のメニューか」と、姑そっちのけで物珍しそうに施設内をウロウロしていた。
私は内心この施設に入った瞬間からの糞尿の臭いの漂い方や、職員の入所者に対する物言いを見聞きして、「ここに入れるのは気の毒なんじゃ...」と思ったが、実の息子である夫と実の夫である舅がこの態度なんだから私が気にするのはやめようと思った。
姑を部屋着に着替えさせ、荷物を整理している間も姑はおとなしく部屋のベッドに腰かけていて、夫は部屋の椅子に腰かけ、舅は入り口で立って見ていた。
ただただ無言の時間が過ぎゆくので、私がたまらなくなった。
「あんたらお義母さんになんか掛ける言葉は無いの?」
すると慌てたように夫と舅が同じ事を言った。
「そしたら元気で」
二度と来ないかのような言葉に私はため息が出た。
続く
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