座ってできるから簡単♪ 肩こり解消にも有効な3つの「グーパー運動」で「血管力」をアップ!

さまざまな疾患や見た目の老化、認知症などを引き起こす原因となる血管力の低下。通常、血管は年齢を重ねるにつれて衰えていきますが、運動や食事を見直すことで、その力を高めることも可能なのだとか。そこで今回は、池谷医院 院長の池谷敏郎先生に「血管力を上げるグーパー体操」を教えてもらいました。

【前回】あなたの「血管力」は? 血管年齢マイナス29歳の名医が教える血管力を上げる5つの方法

全身グーパー体操

1日3回

(1)床に座り、体を丸める

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床に座り、両手でひざを抱えて全身でグーを作るように小さく丸まります。手足に力を入れるようにして、15秒間しっかり全身を丸めましょう。

(2)全身を大きく伸ばす

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手のひらをパーッと開きながら、ばんざいをするように両手を広げ、全身を大きく伸ばします。

【POINT】

全身を大きく使って収縮・拡張させることで、血行が促進されます。リラックスのほか、ストレス解消にもなります。


なぜ運動をするとNOが出るの?

座ってできるから簡単♪ 肩こり解消にも有効な3つの「グーパー運動」で「血管力」をアップ! 2111_P012_01.jpg「NO(一酸化窒素)」とは、血管の内側の膜「血管内皮細胞」から分泌される物質。血管を広げて血流を良くし、血圧を安定させる働きを持ちます。有酸素運動で筋肉を動かし、血流が良くなると、筋肉細胞から「ブラジキニン」という物質が放出されます。これが、血管内皮細胞を刺激して活性化し、NOの分泌を促します。また、血液は一度血流を止めてから再開すると、血流が血管内皮細胞を刺激し、NOが分泌されます。「グーパー体操」はそれを促すものです。


ボートこぎグーパー体操

1日10回

(1)背筋を伸ばしいすに座る

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背筋と首筋を伸ばし、頭が背骨の真上にのるように座ります。目線は、ビルの5階を見上げるようなイメージで上を向きます。

(2)手を「グー」にして引き寄せる

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胸を開き、こぶしを握ってひじを左右の肩甲骨を寄せ合うようにして約10秒間、後ろに引きます。ひじの高さは乳頭と同じくらいになるように。

(3)手を「パー」にして上に突き出す

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手のひらを広げて、両手を目線の先に向けて上に突き出します。

(4)そのまま手のひらをぶらぶら

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約10秒間、手のひらをぶらぶらさせてリラックスします。

【POINT】

姿勢が前かがみになって肩や背中がこっているときにおすすめ。ボートをこぐような動作で
血行を促進します。手を握って引くときに血流が止まり、広げたときに血流が再開します。

手クロスグーパー体操

1日3~5回

(1)いすに座って手をグーに

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いすに深く腰かけ、へその下に力を入れてこぶしをぎゅっと強く握ります。そのまま両腕を抱え込むように胸の前で15秒間クロス。

(2)両手を大きく広げる

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こぶしをパッと大きく開きながら、両腕を開放するように大きく広げます。

【POINT】

上半身の血流改善に効果的で、肩こりを含む上半身のこりをほぐします。下半身の筋肉を動かす「ふくらはぎ体操」と併せて行えば、全身の血流が良くなり、「NO力」がさらにアップします。

《血管を修復し、動脈硬化を防ぐNO》

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NOは、血管を拡張させて血流を良くし、血圧を安定させるほか、傷ついた血管を修復する「血管保護作用」もあります。

血管内の炎症やプラーク(こぶ)を修復し、血栓(血の塊)ができるのを予防。

これにより動脈硬化の進行を防ぎます。

"血管のメンテナンス係"であるNOの分泌量が低下すると、血管内皮細胞が衰え、NOの分泌が減るという悪循環に陥り、血管はどんどんボロボロに。

運動や食事の改善でNOを分泌させ、血管力を上げることが大切です。

取材・文/岡田知子 撮影/西山輝彦 モデル/川島佐和子(スプラッシュ)

 

<教えてくれた人>
医学博士 池谷医院院長
池谷敏郎(いけたに・としろう)先生
1962年生まれ。東京医科大学客員講師、総合内科専門医、循環器専門医。著書多数。インターネット動画共有サービス・YouTube『池谷敏郎 Official Channel』では、血管先生として、自ら運動方法や食べ方などを指南。

この記事は『毎日が発見』2021年11月号に掲載の情報です。

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