新NISAで大切なのは「投資信託」を選ぶことではなく「投資先」を決めること/世界一やさしい新NISAの始め方

たとえば、米国株のみに投資するのであれば、第2章で紹介したeMAXIS Slim米国株式(S&P500)だけを選べばOKです。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、米国を代表する企業500社へ手軽に分散投資できます。

また、米国株と日本株を半分ずつ持って運用したい時は、米国株式のインデックスファンドと日本株のインデックスファンドの2本を選びます。

そこでeMAXIS Slim米国株式(S&P500)と合わせて、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)にも投資することで、米国株と日本株を半分ずつ持つという目的が達成できます。

これなら米国株が不調の時も、日本株が好調であればトータルの下落幅を抑えることが期待できるため、投資する地域に関してリスク分散の効果があると言えるでしょう。

しかし、人気ファンドを闇雲に選んでしまうと、投資先がごちゃごちゃになって、自分が結局何に投資しているのかが分からなくなってしまいます。

そうならないためにも、まずは自分が将来的に、成長が期待できると思う投資先はどこなのかを整理しましょう。

それが米国であれば米国株、日本であれば日本株、新興国であれば新興国株のインデックスファンドを選択します。

将来どこが伸びるか分からないと思うなら、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)など、全世界株式のインデックスファンドを1本選べばいいでしょう。

全世界株式1つでもじゅうぶんに地域分散はできるので、あれこれ選ぶ必要もありません。

新NISAで投資信託を選ぶ際の上限数はありませんが、本数はできるだけ少なく、シンプルにした方が管理もしやすいですからね。

このように、新NISAで投資する商品を決める際は、まず投資先を整理して、その上でファンドを選ぶという流れを忘れないでください。

また最近では、新NISAに合わせて低コストのファンドが続々と誕生しています。

いま積立している投資信託より、年間の保有コストである信託報酬がさらに安い銘柄も出てくるかもしれません。

そうなった時に、「今のファンドから変えた方がいいんじゃないか......」と目移りしてしまうこともあるでしょう。

ただ、足元ではインデックスファンドのコストはすでに限界レベルまで下がっており、小数点以下の微々たる競争になっているのが現状です。

そのため、それくらいのわずかなコスト差であれば、特段気にせずに今のファンドの運用を続けていきましょう。

積立する銘柄をコロコロ変えていると、落ち着いて投資を続けていくことができません。

これからも新しいファンドは色々と登場すると思いますが、一度ファンドを決めて運用を始めた後は、ドッシリと構えて運用していく心構えも大事ですね。

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※本記事は小林 亮平著の書籍『イラストと図解で丸わかり! 世界一やさしい新NISAの始め方』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。

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