同じものを見ても脳ごとに認識は違う/なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?

夫婦や親子、仲が良い友人でも思っていることはなかなか伝わらないものです。実は、その原因は脳タイプが違うからかもしれません。そこで、脳科学者・西剛志先生の著書『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』(アスコム)より脳タイプ診断、脳には偏りがある現実など脳が作り出す人との違いをご紹介します。

あなたは、どちらが「汚い部屋」だと感じますか?

aiteni-001-021.jpgあなたは「汚い部屋」というとどんなイメージを持ちますか?

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散らかっている部屋

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臭ってきそうな部屋

「汚い部屋」のイメージは、人によって異なります。

なぜこんな違いがあるのか、次のページから見ていきましょう。

同じものを見ても、汚いと感じる人と感じない人がいる

あなたはどんな「汚い部屋」をイメージしましたか?

足の踏み場もないほどものが散らかっている部屋でしょうか?

それとも、食べた後のものがテーブルに置かれている部屋でしょうか?

換気をほとんどしていない空気がよどんでいる部屋でしょうか?

あなたがイメージした部屋は、きっと汚い部屋だと思います。

ただし、そこには「あなたにとっては」という条件が付きます。

えっ、自分が思った「汚い部屋」は誰がどう見ても汚いはず。

もしそう思ったのであれば、それは間違いかもしれません。

あなたがイメージした部屋を見て、「汚い部屋」と思わない人がいます。

それも、自分が予想している以上の人が汚いと思わない場合があります。

世の中には、ものが散らかっていても、まったく気にならない人がいます。

同じように、食べた後のものがテーブルに置いてあっても、空気がよどんでいても、平気で過ごせる人もいます。

あなたがイメージした部屋を見ても、「どこが汚いの?」と首をかしげる人は、いくらでもいるのです。

その理由は、脳の性格の違いにあります。

いわば、脳のバイアスのかかり方の違いです。

以前、こんなことがありました。

ある夫婦から「ケンカが絶えない」と相談を受けたことがあります。

話を聞くと、ケンカの原因は、部屋が散らかっているのに何もしない夫でした。

妻の言い分は、「散らかっているのに、どうしてきれいにしないの?」。

夫の言い分は、「汚くないから今やらなくてもいいじゃん」。

そんなやりとりから、毎度もめごとに発展するとのことでした。

妻のほうが正しい気もしますが、夫は汚くないと思っているのですから、片づけに積極的にならないのもわかります。

夫婦が見ている部屋は、もちろん同じです。

それなのに、妻は「汚い」、夫は「汚くない」。

この違いはどうして生まれてしまうのでしょうか?

2人の感じ方が異なるのは、2人の脳タイプが違うからです。

私たちは、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、いわゆる五感で情報を処理しています。

どれも同じように使っていると思っていますが、手を使って何かをするときに無意識に利き手を使うことが多いように、五感にも優先的に使う感覚器とそうでない感覚器があります。

1996年に、ニューヨーク大学の教育学者であるリースマン博士によって、人それぞれ学習するときに異なる感覚器を使っていることが報告されましたが、その特性から分類されるのが脳タイプです。

私も2000名以上の人を見てきましたが、脳タイプは3つに分かれます。

【タイプ1】視覚を優先する視覚タイプ

【タイプ2】聴覚を優先する聴覚タイプ

【タイプ3】触覚、味覚、嗅覚などを含めた体の感覚を優先する体感覚タイプ

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日本の脳タイプを調べると、視覚タイプ44%、聴覚タイプ18%、体感覚タイプ38%という結果も出ています。

タイプによって、同じものを見ても脳での処理が違ってきます。

記憶のされ方も、記憶をもとにつくるイメージや表現の仕方もまったく違ってきます。

各タイプで優先されるのは、視覚タイプは見えているもの、聴覚タイプは聞こえるもの、体感覚タイプは香りや気温、そのときの気持ちなど。

例えば、同じ海を眺めていても、次のように記憶されるものが違ってくるのです。

視覚タイプ→海の青さが記憶に残る

聴覚タイプ→波の音が記憶に残る

体感覚タイプ→潮の香りや潮風の心地よさなどが優先的に記憶に残る

どうですか?

同じ海を見ても、こんなにも感じ方に違いが出てくるのです。

先ほどの夫婦は、妻が視覚タイプで夫は体感覚タイプでした。

ものが散らかっている状態を見ると「汚い」と感じる妻がイライラするのはわかりますが、視覚情報よりも体感覚が優位に働く夫は、見ただけでは「汚い」と感じられません。

夫が悪いわけでもないのです。

そこで私がしたことは、夫にものが散らかっている状態を体で感じてもらうことでした。

夫に、「散らかっているものをすべて布団の中に詰め込んで、くるまってみてください。どんな気分ですか?」と聞くと、「こんな状態を妻は体験していたんですか。これは嫌ですね」。

こうして、妻が感じる「汚い」を、夫もようやく理解することができました。

以降は、もめることが極端に少なくなったといいます。

脳タイプが異なると、夫婦間でも、わかりあえないことはよくあることなのです。

【次回】あなたはどれ? 脳タイプ診断テスト/なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?

【まとめ読み】『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』記事リストはこちら!

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視覚的に「汚い」と感じる妻と、体感覚的に「汚い」と感じる夫。「汚い」の感じ方が夫婦間で異なるケースは少なくない。

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自分の脳と他人の脳が作り出す違いについて全5章にわたって詳しく解説。脳タイプ診断テスト付き

 

西 剛志

脳科学者(工学博士)、分子生物学者、T&Rセルフイメージデザイン代表/自身の夢を叶えてきたプロセスが心理学と脳科学の原理に基づくことに気づき、2008年に世界的にうまくいく人物の脳科学的なノウハウを提供する会社を設立。企業や個人に至るまで約1万名以上をサポートしている

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『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』

(西 剛志/アスコム)

同じものを見ても、人はまったく同じ認識ができません。なぜでしょうか? そんな不思議を脳科学の観点から例を挙げて解説してくれる良書。脳のタイプを3つにわけ、気軽に診断した上で脳が左右されている環境などについて専門家が語ります。

※この記事は『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』(西剛志/アスコム)からの抜粋です。
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