何日も誰とも話をしていない...そんな人に心療内科医が伝えたい「いざという時の場所」の作り方

40~50代になって「老後の孤独」が頭をよぎるなら、「心の自立」が足りていないからかもしれません。そこで、「孤独との向き合い方が大切です」という心療内科医の反田克彦さんの著書『孤独を軽やかに生きるノート』(すばる舎)から、「無自覚の寂しさ」への対処法をご紹介します。

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顔見知りが何人かいるといい

現状、付き合いのある人が極端に少なくて不安がある人は、「いざというときにここに行けば気兼ねなくいさせてくれる」という自分だけのとっておきの場所を作っておきましょう。

カフェでも食堂でも雑貨屋さんでも洋服屋さんでもどこでもいいです。

個人で経営している店がお勧めですが、公共の場所でもいいでしょう。

自宅で洋品店を経営している70代の女性は、

「儲けが出るわけでもないけれど、店を開けていれば誰かしら訪ねてくるので、退屈しのぎになる」

とおっしゃっていました。

こんな店が狙い目です。

積極的に会話をするわけでなくても、見知った場所や顔ぶれには安心感があります。

周りの人たちからは、自分自身も、その店で時折見かける一人として認識されるようになるわけです。

可能なら、そういうなかから街で顔を合わせたら挨拶する程度の関係の人が何人かできるのが理想です。

気がついたら何日も話をしていないときのライフラインです。

いざというときのお守りのように、あるという安心感が大事です。

あまり親密なつながりにならずに、緩い関係、浅い関係、束縛しない関係、来る者を拒まず去る者を追わない関係がいいです。

やめたければ、ストレスなくやめることができる関係。

利害の絡まない関係がいいです。

目的があると、堂々と行動できる

ライフラインとしての行き先は、明確な目的があるほうがいいです。

「コーヒーを飲む」とやることが決まっていれば、一人でも堂々とカフェで時間を過ごせます。

新聞記者の方は、取材という名目があるとどんなに近寄りがたい相手でも臆せずに話ができると言います。

そんなふうに自分で自分に役割を与えることで、行動しやすくなります。

名目は何でもいいです。

個人のブログに載せる記事で十分です。

アウトプットがあると張り合いがあります。

目的はバーチャルでも構いません。

お城の評論家、B級グルメライター、カタツムリ研究家、産業スパイでも何でも。

逆に目的がない状態で出かけると、場合によっては不審がられてしまうリスクもあります。

たとえば、住宅地を目的もなくうろうろしていると、その地域に住んでいる人たちは「何だろう」と不安になるでしょう。

見知らぬ人どうしは、目的があったほうが、警戒心が薄れ、コミュニケーションも取りやすいです。

以下に例を挙げますので、ライフラインづくりの参考にしてください。

①同じコンビニで毎朝新聞を買う

顔見知りが一人でもいると心強いです。

コンビニの方も小さな出会いを待っているかもしれません。

いや待ってないか、やっぱり待っているかも。

「いつものあの人、今日は来ないな」と思い出してもらえるっていいですよね。

②公的な機関が催しているセミナーやサークルに参加する

料金が手ごろなので、見栄を張る人も少ないでしょう。

周りと自分を比較して嫌な思いをしなくて済みます。

年輩の人が多いところがお勧めです。話し相手には事欠きません。

もちろん新しい知識や技術を身つけることもできます。

もし自分に合わなければやめましょう。

ムリしてまでいる必要はありません。

別のセミナーを探しましょう。

③地元サッカーチームのサポーターになる

これはいいですよ。

応援に行けばみんな友だちです。

一人で参加しても、大声で応援すれば一体感があります。

勝てば嬉しいし、負けて悔しがるのだっていいですよね。

強いチームでなくてもいいです。

できたらアウェイの試合にも遠征しましょう。

ユニフォームを着て。

駅前の居酒屋で一人ジョッキを傾けていれば、同じユニフォームの仲間から声をかけられるでしょう。

④地元の名所を案内するボランティアをやる

観光地にはたいてい活躍の場があります。

週末に手伝いましょう。

ある程度継続する場合にいいでしょう。

遠方からの観光客も多いので、土地の人しか知らない内輪話をすれば喜ばれること請け合いです。

そんな場所に来て話を聞きたいという方は穏やかな人柄のことが多いのでご安心ください。

⑤近所のスナック&旅先のスナックに行く

スナックはかなり強力な助っ人です。

不思議なことに、情報誌などで紹介されることがありません。

お店のホームページを充実させることもまずありません。

ほぼ口コミだけです。

一見のお客さんが押しかけたら、常連さんに迷惑がかかるからでしょう。

販売しているものはママさんの人柄一択です。

おつまみはほぼ乾き物だけです。

こういうエアポケットのような場所は貴重です。

とっておきの秘密をお教えしましょう。

旅先では、会員制のスナックに行ってみましょう。

礼節を持ってお店の扉を開けば、断られることはまずありません。

会員制はお店にそぐわないお客さんを断るための方便ですから、会員制のお店には地元の品の良いお客さんしかいません。

もちろんぼったくられることはありません。

居酒屋価格で十分です。

長年にわたって甘えん坊の男性の愚痴を聞いてきたママには、この世知辛い世の中を笑って生きるノウハウが蓄えられています。

一杯ご馳走すれば、さらに深いテクニックも教えてもらえるかもしれません。

⑥ホテルのオーセンティックなバーに行く

これは女性にお勧めです。

格式のあるホテルのバーにはジェントルなバーテンダーがいます。

ハッピーアワー(早い時間帯の割引料金です)なら価格も手ごろです。

バーテンダーは絶妙な距離感で接してくれます。

無粋にプライベートに踏み込むこともなく、手持無沙汰にしていればそれとなく話しかけてくれます。

色々なジャンルの人と日々接しているので、話題が尽きることはありません。

また、口が堅いことがバーテンダーの基本ですからご安心を。

それに、再びそこに行くかどうかはあなた次第ですから、少々話しすぎても後悔することがありません。

最大の利点は、邪な考えであなたに近づく男性からあなたを守ってくれることです。

バーの間接照明に映し出されるあなたの顔はいつもよりさらに素敵に見えるはずです。

⑦心療内科のカウンセリングに相談する

ちょっと孤独をこじらせてしまった方にはお勧めです。

場合によってはお薬をお出ししたほうがいい場合もありますが、とりあえず心に溜まっている思いを声にして出すことで、胸に詰まっている重い鉛の塊が取れるかもしれません。

他人の目を借りれば、八方塞がりだと思っていたことにも解決方法が見えてくるかもしれませんよ。

⑧いのちの電話なども考慮に入れる

いざというときの砦です。

嫌なことが重なって、消えてしまいたくなるときってありますよね。

普段は一人で平気な人でも、誰かに聞いてほしくなります。

そんなときは、必ず受け入れてもらえるという安心感が必要です。

いのちの電話は孤独で落ち込みやすい人のライフラインです。

本当に苦しいときの切り札として選択肢に入れておきましょう。

何か寂しい...そんな人に。「孤独を軽やかに生きるノート」記事リストはこちら!

何日も誰とも話をしていない...そんな人に心療内科医が伝えたい「いざという時の場所」の作り方 104-H1-kodokuwokaroyakani.jpgノート式の認知行動療法!5章にわたって書き込み、読み進めていけば、「あなたの孤独」がわかります

 

反田克彦(そりた・かつひこ)
1957年生まれ。あさなぎクリニック・心療内科院長。順天堂大学医学部卒業。山梨大学、HANAZONOホスピタルを経て、あさなぎクリニックを開院。家庭裁判所の嘱託医や山梨県教育委員会産業医などを歴任し、講演活動も多い。精神科専門医、精神保健指定医、医療観察法判定医など多くの学会に所属。著書に『人見知りが治るノート』(すばる舎)がある。

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『孤独を軽やかに生きるノート』

(反田克彦/すばる舎)

家庭や職場に居場所がない、訪れる老いが心配…そんな孤独のもととなる拒絶や脱落、喪失といった不安を、「認知行動療法」で軽くしていきます。自分を理解する助けになるチェックリストや書き込み欄も充実。孤独と向き合い、楽しみ、備えるために、役立つ一冊です。

※この記事は『孤独を軽やかに生きるノート』(反田克彦/すばる舎)からの抜粋です。

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