いま日本では空き家が増え続けています。地方だけの話ではなく、近年は都市部でも「空き家問題」が深刻化しています。特に1960〜1980年代にかけて開発された郊外の「ニュータウン」は空き家が目立つ状況です。また、誰も住んでいない実家の管理に頭を悩ませている人もいるようです。不動産の専門家で空き家問題に詳しい牧野知弘先生に、我が家や実家を相続したときの「処理方法」を決めるときのポイントについて聞きました。
親の意向を聞いておくことが大切
親が亡くなって家に誰も住まなくなれば、実家は空き家になってしまいます。親が長年住んでいた家は、郊外の老朽化した木造一戸建てだったり、築年数の古いマンションなどが多く見られます。
定期誌「毎日が発見」の読者からも「兄弟間の意見がまとまらず、実家は3年間、空き家のままです」「実家を売却したときに兄ともめて、疎遠になってしまいました...」などの声が寄せられ、やはりいろいろと問題も多いようです。
実家を相続しても、住まずに所有しているだけでは、下の図のように、税金や維持費だけがかかり続けます。人が住んでいないと家は傷みます。月に1度は換気をしたり、水道の水を流したりする必要があるため、次第に管理するのが負担になってくることが多いです。
※1...国の「固定資産評価基準」に基づいて自治体が決定した金額。自治体から届く「固定資産税課税明細書」に「価格」または「評価額」として記載されている。
誰も住まなくなった実家の活用法は3つ
空き家になった実家の活用法は、最終的に3つに分けられます。「日頃から親子で家の活用法について話し合っておけば、親の意思を尊重しつつ活用法を決められます」と牧野先生は話します。皆さんも、下のチャート図を参考に、一度家族で話し合ってみてはいかがでしょうか?
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取材・文/松澤ゆかり、山川寿美恵