問題は家計の「赤字」!ボーナスがすぐになくなる家庭の事情

老後2000万円不足の問題を耳にして、すぐに貯蓄や投資を始めようとした人、ちょっと待って!何となく始めてしまうと、大きな失敗につながります。そこで、2万3000人の家計を再生したファイナンシャルプランナー・横山光昭さんの著書『となりの家(うち)のざんねんなお金の話』(あさ出版)から、実際にあったお金の失敗エピソードを連載形式でお届け。動き出す前に、まずはお金の正しい知識を学びましょう。

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何に使ったか思い出せない年末年始

年末年始は出費がかさむ季節です。特に会社員の方のなかには、冬のボーナスも出るので、旅行やバーゲンや何やらと、「ついつい使い過ぎてしまう」なんて悩んでいる人が多いのではないでしょうか。

実際に、年明けの家計相談でよく話題に上がるのが、「特にボーナスで何か買ったわけでもないのに、気がついたらなくなっている」といった話です。

●会社員の田中さん(42歳/男性)の場合......

「ボーナスがあっという間になくなってしまうんです」

そういういう田中さんは奧さんと中学1年の子どもさんの3人暮らし。5年ほど前に、念願だったマイホームを購入しています。

しかしここ数年、12月に出たボーナスは、お正月が明けるとほとんど残っておらず、住宅ローンの支払いの一部をボーナス払いにしたせいかなとも思っていたそうですが、予定ではだいたい20万円は残るはず、とのこと。

いくら考えてみても、何にどう使ったのか、全部は思い出せません。さらにボーナスがなくなるだけならまだしも、通帳を見ると貯蓄も少しずつ減っているではありませんか。これは一体どういうことなのでしょうか?

使い過ぎでなく、家計の赤字が原因?

ボーナスがすぐになくなってしまうという家計の問題は、実は「ボーナスを使い過ぎた」ということではなく「多くの場合、毎月の家計が赤字状態だった」ということが原因のようです。

ではなぜ月々の収支がボーナスに影響するのでしょうか?

例えばよくあるのが「住宅ローンのボーナス払いで10万円」「自動車ローンのボーナス払いで8万円」「クレジットカードのボーナス支払いは3万円」などと、ボーナスの使い道がすでに"確定"している所に「これまでたまってしまった赤字を、ボーナスで補てんする」といったケースです。

ここまできてしまったら、家計を見直して支出を毎月の収入の範囲内に収めなければ改善できません。

毎月の支出の"穴埋め"にボーナスを使っているうちは、改善などありえないのですから。田中さん一家の1年間の支出状況を書き出してみると、やはり家計は毎月、赤字に陥っていました。そしてボーナスはというと、住宅ローンや子どもの塾代、クレジットカードの買い物代などを支払ったうえに、家計の赤字の穴埋めに使っていて、すべてなくなっていました。

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このような状況を改善するには、「お金の使い道をしっかり把握する」ことが大事。田中さんには家族みんなで協力して支出記録をつけ、自分たちが何にいくら使っているのか、むだ遣いはないのかを点検してもらいました。そして、判明したむだをどのように削るのか、家族会議を開いて検討してもらったのです。

田中さん一家に改善策として取り組んでもらったのは、スマートフォンを格安スマホにしたり、食費に1週間単位で予算を設けてコントロールしたりといった一般的なことばかり。それでも、こうした取り組みによって、毎月の収入の範囲内で生活費を賄えるようになりました。

ここまでくれば、ボーナスが生活費への補てんとなるようなことはありません。いうなればボーナスは「家計の良好度」を測るバロメーター。もし、ボーナスがいつの間にかなくなっているようなら、その家計はレッドゾーンに入っていると考えてください。

家計に余裕ができたら、ボーナスの「使い方」について、大まかな将来設計に応じた、計画、を立てておくのもいいでしょう。

例えば、3年後には車を買い換える、2年後には子どもが進学する、定年までの間にさらに100万円は貯蓄したいなどの将来設計があれば、「長いローンを払うより貯蓄を優先しなくては」となりますよね。すると計画的にボーナスを貯めておくことができるようになってきます。

ボーナスは、頑張って仕事をしたことに対するご褒美。それをなんだかよくわからないうちに使い切ってしまうのは、実にもったいない話です。むだにならないよう大切に使ってくださいね。

【ここがざんねん】ボーナスをあてにした家計管理をしていると、赤字家計であることに気づけないまま過ごしてしまいがち。要注意です!

020-あさ出版・ざんねんなお金の話.jpg 習慣、資金計画、投資の3テーマで、絶対NGなお金の扱い方を実例から学べます。最終章にはプロが教える「お金を増やす」13のステップも

 

横山光昭(よこやま・みつあき)

ファイナンシャルプランナー、家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。独自の家計再生プログラムで、抜本的解決、確実な再生を目指し、これまで2万3000人以上の家計を再生。個別の相談・指導で課題解決する活動は業界でも異端で、各種メディアへの執筆・講演も多数。

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『となりの家(うち)のざんねんなお金の話』

(横山光昭/あさ出版)

世の中には「家計無頓着夫」「保険乗り換え貧乏妻」「教育費破綻夫婦」であふれてる!?「ウソでしょ?」と言いたくなる家計のやりくりや、「私も…」と悲しい共感をしてしまう投資の失敗まで、21の“残念なお金の話”がラインアップ。その対策から「正しいお金の増やし方」まで学べる家計の救済本です。

※この記事は『となりの家(うち)のざんねんなお金の話』(横山光昭/あさ出版)からの抜粋です。

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