こんなに暑いのにタートルネック⁉ 真夏に厚着で熱中症→入院で認知症状が一気に加速/うちの親にかぎって!

こんにちは、福岡にいる認知症の母を、東京から遠隔介護をしている松風きのこです。でもその認知症を家族に受け入れてもらうまでが長い道のりでした。

前の記事「親が東京に来さえすればこっちのもの!ようやく病院に連れて行くチャンスが!/うちの親にかぎって!(8)」はこちら。

いつも体のどこかが痛いといって伏せっている母を、神経痛の名医に診せるという名目で、ひとまず東京に連れてくる計画を立てた前回。予約は半年後でしたが、治療で最低でも1ヵ月は滞在すると見込んで、私の家で母を受け入れる準備を整えていました。ところがいよいよその日が近づいた頃に、母が熱中症で入院してしまったのです。

◇◇◇


あと数日で病院につれて行けると思った矢先、皮肉なことに認知症が進んでしまうとは...

テレビに出ていた病院の予約が8月にとれたので、ちょうど夏休みで姪を連れて帰省している妹(東京在住)が、東京に戻るときに母を連れて来るという段取りにしていました。

それまでの間、妹から何通も、夏休みを満喫している姪っ子と父母の楽しげな様子がメールで送られてきていました。「温泉に一泊してきたよ。認知症もお姉ちゃんがいうほどじゃないと思うけど...」と、水遊びをしている姪と母。でもその写真をよく見ると、なんだか変。

炎天下の川辺で、母も裾をまくって裸足になっているけれど、ちょっと待って?そのズボンは確か沖縄で着ていたのと同じ厚手の冬物。しかもタートルネックにカーディガンを着ているのです。

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その夜、実家に電話をして母の様子を聞くと妹が出て「いま具合が悪くて寝ている」と。それはいつものことだけど、症状を聞くと「足がつる」とか「ろれつが回らない」とか、風邪や夏バテとは少し違う様子なのです。
「なんで家で寝かせてるの?すぐに病院に連れていって!」
「でもお父さん出かけてるし、本人も大丈夫だって言ってるし...起きたら連れて行くよ」

電話しながら症状をネットで検索し、これは熱中症かもしれないと思った私は
「ダメダメ!今すぐ起こして救急車を呼んででも連れていって!熱中症でも危ないし、もし脳梗塞だったら間に合わないかもしれないのよ!」
妹は私の剣幕にビックリしてすぐに病院に連れて行き、報告の電話がかかってきました。
「熱中症で入院だって...。お姉ちゃんよくわかったね」

「そのスマホはただの板なの!?ネットにつながってるんでしょ?アンタがついていながら!」思わず情弱ぶりを叱りとばしてしまい、妹も父もしょんぼりしていました。厚着については注意したけれど、ふだんから冷え性で寒がりなので、冷房が寒いのかなくらいに思っていたと...

 

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それから5日間も高熱が続き、退院してきたときにはどこから見ても疑いようのない、すっかり認知症の老人ができあがっていたのです。

この状態で東京に行くのは無理かもしれないと一時は頓挫しかけましたが、父からもようやく「この際だから認知症も何もかも、疑わしいところは全部病院で診てもらってくれ」と正式に依頼されることになりました。

数日後、空港に迎えに行くと、一回り小さく弱々しくなって、8月というのにやっぱり冬みたいな格好をした母が、姪に手を引かれて立っていました。
認知症は進んでしまったけれど、ここまでくればこっちのもの。あとは病院に連れて行くだけ!でも東京での同居生活がどんなに大変か、まったく想像できていなかったのです。

 

次回に続く。

次の記事「東京に連れてはきたけれど、母から目が離せない!私の生活どうすれば!?/うちの親にかぎって!(10)」はこちら。

 

「うちの親にかぎって!」他の記事はこちら。

イラスト/にのみやなつこ

 

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松風きのこ(まつかぜ・きのこ)さん

大学進学で上京し、広告制作会社でコピーライターを経験したのち、広告、雑誌を中心としたフリーライターに。父(82歳)母(81歳)は福岡在住。5年前、父が頸椎の手術をしたのを機に、それまで年に1週間程度だった帰省を3~4ヵ月間に増やし、さらに母が認知症と分かったため、東京と福岡を往復しながら遠隔介護中。母が認知症だとは気づかずに過ごした数年の間に、周囲がみんな逆効果の対応ばかりしていたことに思い当たり、この体験記を書くことに。

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