日本人の一生涯にかかる医療費は2700万円程度といわれています(厚生労働省調べ)。そしてこの生涯医療費の50%は、なんと70歳以降にかかってくるということをご存知でしたか?
生涯医療費を少しでも減らすために、病気は早いうちにみつけるのが一番です。医療費の負担を賢く節約する方法をファイナンシャル・プランナーの畠中雅子さんに伺いました。
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2018年8月から高額療養費制度が変更されました
医療費の負担を軽減する上で、忘れてはならないのが高額療養費制度と医療費控除です。
高額療養費制度については、2018年8月から70歳以上の所得区分の「現役並み」に変更がありました。それまでは、所得区分の現役並みは、年収約370万円からだけでしたが、変更後は細分化されることになりました。
入院は月初めがベストです
畠中さんは、高額療養費制度を利用する際の、入院のタイミングについて指摘しています。「計画入院ができる状況であれば、入院は月初めにするのがベストです。というのも、高額療養費制度は月単位で計算されるので、月をまたいでしまうと、自己負担分を2回払う可能性があるからです」(畠中さん)。
医療費控除は家族で最も収入の多い人が申告するのがポイントです
医療費控除は、1年間に支払った医療費の総額が10万円または所得の5%のいずれか少ない方の金額を超えた場合、確定申告をすることで払った所得税の一部が戻ってきますし、翌年の住民税が安くなります。「今年はそれほど医療費がかからなかった」という人でも、家族で合算できる上、最も収入の多い人が医療費を負担して申告すれば、多くの還付金を受け取ることができます。
取材・文/金野和子