医療費控除の申告は家族の中で最も収入の多い人が行うべし!/確定申告(3)

医療費控除の申告は家族の中で最も収入の多い人が行うべし!/確定申告(3) pixta_3830352_S.jpgそろそろ確定申告の時期がやってきました。確定申告とは、払い過ぎた税金を取り戻したり、不足している税金を納める手続きのことです。きちんと手続きすれば、税金が戻ってきて、うれしいおこづかいになることも。私たち世代で特にポイントとなるのが医療費。控除額がどうやって決まるのか、税理士の板倉 京さんに教えてもらいました。

前の記事「今回から始まる「セルフメディケーション税制」。医療費控除とどこが違う?/確定申告(2)」はこちら。

 

家族の中で最も収入の多い人が
医療費を負担して申告するのが鉄則

医療費控除額を求めることができれば、確定申告によって所得税の一部が戻ってくるかどうかを確認できます。医療費控除額の算出にあたって、1年間に支払った医療費の合計額を出します。そのためには、医療費の領収書が必要です。医療費は、自分の分だけではなく、同一生計の家族にかった医療費も申告者本人が負担している場合は合算できます。

「1年間に支払った医療費の合計額」から「保険などで受け取った合計額」と「10万円または所得金額×5%のいずれか少ない金額」を差し引きます。これで出た金額が「医療費控除額」です。この医療費控除額に、自分の所得税率をかけると、受け取れる「還付金」を割り出すことができます。

所得税率が低ければ戻ってくるお金も少なくなります。所得金額が多くなれば税率も高くなるので、家族の中で最も収入の多い人が、家族の医療費を負担して申告すれば、より多くの還付金を受け取ることができます。セルフメディケーション税制の場合は、1年間に支払った一般用医薬品等の合計額から1万2000円を差し引くことで医療費控除額を割り出すことができます(8万8000円が上限)。

ちなみに、医療費控除は1年間に支払った分が対象で、最高限度額は、200万円と決められています。もし、年の途中で200万円を超えるような、高額な医療を受けた場合、どうすればいいのでしょうか。板倉さんからは「支払いを分割して、翌年にも回すことができれば、医療費控除の枠を有効に使うことができます」とのアドバイスがありました。

 
医療費控除の計算方法と計算例
下記の金額は、課税所得400万円(所得税率20%)の人が、1年間に30万円の医療費を支払い高額療養費制度や保険などで10万円を受け取った場合。

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※高額療養費制度を利用し健康保険などから支給された金額や、入院給付金など保険会社から受け取った金額。

 

取材・文/金野和子

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<教えてくれた人>
板倉 京(いたくら・みやこ)さん
税理士。女性開業税理士で組織された(株)ウーマン・タックス代表。相続・贈与等個人資産に関する税務・保険が得意。著書に『夫に読ませたくない相続の教科書』(文春新書)などがある。
 
この記事は『毎日が発見』2018年1月号に掲載の情報です。

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