日本は子どもを産みにくい国なの...? 出産の理想と現実とは

2017年の出生率は1.43と前年をわずかに下回りました。反対に死亡者数は134万人を超え、戦後最多となり、人口減少の加速が懸念されるなか、果たして日本は子どもを産みやすい国に向かっているのでしょうか?

子育て世代が感じる出産の理想と現実を考えてみましょう。pixta_22015321_S.jpg

依然根強い、出産・育児にともなう経済的な不安

日本は子どもを「産みやすい』国に近づいているか...公益財団法人1moreBaby応援団が実施する「夫婦の出産意識調査2018」の結果によると、近づいていないと答えた人は72.7%にも上り、依然として出産への障壁を感じている様子が見られます。

特に第二子以後の出産をためらう「2人目の壁」。理想の子どもの数について、2人が最も多いものの、2人以上を選んだ人は69.9%と調査後初めて7割を切り、2人目3人目出産に対する意識の低下は軒並み減少しています。

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公益財団法人1moreBaby応援団「夫婦の出産意識調査2018」より


産みにくいとママが感じる理由の1位は「経済的な理由」です。消費税をはじめ税金が上昇するなか、給与アップは感じにくい現在、フルタイム・パート・専業主婦すべての働き方別で2位以下に差をつけています。

今後の生活費や教育費における見通しが立ちにくく、出産・子育てにかかる経済的な不安が浮き彫りとなりました。

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公益財団法人1moreBaby応援団「夫婦の出産意識調査2018」より

家事と育児の両立。働き方から感じる二人目の壁

政府が働き方改革を推し進めるなか、子育て世代には「働き方を変えたくても変えられない」というジレンマがあります。出産・子育てを控え残業代が必要と感じながらも、残業が増えることで家事や育児の分担がおこなえず、夫婦どちらか一方の負担が大きくなることが考えられるからです。

一般的には母親である女性の負担が増加傾向にあり、2人目の壁を感じる理由の2位以下は「第一子の子育てで手一杯」「心理的な理由(特に育児のストレスなど)」「仕事上の理由(産休取得や職場復帰など)」となっており、働く女性にとって仕事と出産・育児を両立することは依然難しいことがうかがえます。

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育児負担軽減のため、パパや家族の協力が2人目の壁を乗り越えるカギかもしれません。

同様に残業など長時間労働の軽減や、産休・育休の取りやすさ、出産後の職場復帰など、キャリアや給与に影響が出にくい働き方・給与体系が企業に求められるでしょう。

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公益財団法人1moreBaby応援団「夫婦の出産意識調査2018」より

今回の調査によると「日本は子どもを産みにくい」と感じる人の割合は、既婚者より未婚者のほうが高いという結果になりました。産みにくいと感じる理由は経済的なものにとどまらず、働く女性が出産・育児に伴うキャリアアップや精神的・肉体的なマイナスを感じること。日本において、子育てに適したワークライフバランスの実現はまだまだ遠いと言えるでしょう。

文/大塚 香

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