現役世代は今から準備を。iDeCo、つみたてNISAなど年金を補う金融商品を紹介!

現役世代は今から準備を。iDeCo、つみたてNISAなど年金を補う金融商品を紹介! pixta_22959431_S.jpg親世代、現役世代子ども世代)のどちらにも関わりが深い年金制度。少子高齢化が進行していく中で、私たちに支給される年金額は減っていくのか、現役世代が将来、年金をもらうころには年金制度はどうなっているのか、気になる人も多いでしょう。年金制度の現在とこれからについて大和総研研究員の佐川あぐりさんに聞きました。

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前の記事「年金に3つの改革!? 今後の年金額は減る!子ども世代は対策が必要です(2)」はこちら。

 

年金減額に備えて現役世代が準備すること

現役世代はいまから、老後のお金の準備を始めておくことが重要です。下の「年金を補う金融商品や制度」には、自分の意思で任意加入できるものもあります。これらを利用して、若いうちから年金額を増やす努力をしましょう。会社に勤めている人は、会社の年金に関する制度を確認し、利用することも大事です。

今後、現役世代が受給する年金額は、いまよりも減額される見込みです。「現役世代が年金をもらうまでにはまだ数十年あるので、いまから会社にある制度や、時間を使って増やせる金融商品などを活用するといいでしょう。年金について親子でよく話し合っておくことです」(佐川さん)

年金を補う金融商品や制度 

【商品名】
iDeCo(個人型確定拠出年金)

【制度内容】
●自分で掛金を出して運用方法を選ぶ私的年金。
●掛金は月額5,000円から。

【入れる人】
● 20歳以上60歳未満の人(勤務先に企業型確定拠出年金がある人は、規約によって入れない場合がある)。

【メリット】
●転職や離職の際も移換して継続できる。
●掛金は全額が所得控除で運用利益が非課税。
●運用商品は変更でき、掛金の変更も年に1回できる。

【デメリット】
●受給開始年齢は60歳。それまで中途解約できない。
●加入期間が10年未満の場合、受給開始年齢が60歳からさらに繰り下げられる。

 

 

【商品名】
国民年金基金

【制度内容】
●第1号被保険者を対象とした国民年金に上乗せする公的な個人年金。
●都道府県ごとの「地域型基金」と、職種別の「職能型基金」があり、どちらか一つに加入できる。

【入れる人】
●第1号被保険者。
●国民年金に任意加入の60歳以上65歳未満の人や海外居住の人。

【メリット】
●掛金は全額が所得控除。
●掛金は自由に設定でき、途中で変更できる。

【デメリット】
●任意に脱退できない。
●第2号被保険者になるなど途中で資格が喪失しても、掛金は返金されず、将来、年金としての支給となる。

 

 

【商品名】
つみたてNISA(少額投資非課税制度)

【制度内容】
●1人1口座に限り開設できる。2018年~2037年の間、毎年40万円までの投資信託を購入可能。
●購入後20年間は収益分配金と売却益が非課税。
●つみたてNISAと一般NISAは、どちらか一つを選択して利用。

【入れる人】
●20歳以上の人。

【メリット】
●中途解約できる。
●信託報酬が低額(1.5%以下)。販売手数料も無料。

【デメリット】
●その年の非課税枠40万円を使い切ると、収益分配金の再投資や、他の投資信託への変更ができない。

 

 

【商品名】
財形年金貯蓄

【制度内容】
●給料から天引きで老後資金を積み立てる。
●60歳以降に5年以上にわたり年金として受給する。

【入れる人】
●この制度のある会社の55歳未満の社員

【メリット】
●財形住宅貯蓄と合わせて元本550万円までの利子などが非課税(生命保険の保険料、生命共済の共済掛金、損害保険の保険料の場合は払込保険料385万円まで非課税)

【デメリット】
●目的外の払い出しの場合、やむを得ない理由を除き、5年間さかのぼって課税される。

 

 

【商品名】
企業年金

【制度内容】
●厚生年金に上乗せして会社が支給。
●会社が給付を決める「確定給付企業年金」、会社が掛金を出して各社員が自分の裁量で運用する「企業型確定拠出年金」、業界団体などが設立した「厚生年金基金」がある。

【入れる人】
●この年金制度がある会社の社員。

【メリット】
●厚生年金に加えて支給されるので、年金額が増える。

【デメリット】
●この年金制度がある会社の社員しか支給対象にならない。

 

 

【商品名】
保険会社の個人年金保険

【制度内容】
●保険会社に保険料を支払い、年金として受け取る。

●受け取り開始年齢(60歳、65歳など)や受け取り期間(5年、10年、終身など)は保険会社によって異なる。

【入れる人】
●保険会社によって対象年齢は異なる。

【メリット】
●保険料は口座引き落としなので、老後資金を確実にためられる。
●生命保険料控除が受けられる。

【デメリット】
●物価が上がっても受け取り金利は変わらない。
●中途解約すると元本割れする場合がある。

出典:金融庁、国税庁、国民年金基金連合会、企業年金連合会などのホームページを基に作成。

   

取材・文/松澤ゆかり

 

佐川あぐり(さがわ・あぐり)さん

大和総研研究員。2006年入社。政策調査部勤務。年金制度が専門。日本証券アナリスト協会検定会員。

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この記事は『毎日が発見』2018年10月号に掲載の情報です。

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