自分の基準で「あれは良い、これはダメ」。自己肯定感が低い人こそ逃れて欲しい「ジャッジの呪縛」

コミュ障だし、優柔不断だし、意志が弱いし、お金持ちでもないし...。日常生活を送っていると心のノイズに押しつぶされそうになります。そこで、8000人以上の悩みを解決してきた心理カウンセラーの山根洋士さんの著書『「自己肯定感低めの人」のための本』(アスコム)から、「自己否定の無限ループから抜け出す方法」をテーマに納得した人生を過ごせるヒントをご紹介します。

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ジャッジをやめる。これで人生楽しくなる

なんでもジャッジしてませんか?

人は誰でも、物事の良い・悪いを自分なりに判断して生きています。

でも、あなたの自己肯定感が低くなるのは、そのジャッジのせいだということに気がついているでしょうか?

あなたのジャッジの基準は、かなりノイズの影響を受けています。

例えば「他人ファーストノイズ」がある人は、「兄弟では年上が我慢しないとけない」とか「言いたいことを言うのは悪いこと」などという基準を勝手に作ってしまいます。

まわりがジャッジしているわけではないのに、潜在意識にある記憶や経験から、「そうすべきなんだ」と思い込んでいるのです。

ですから、メンタルノイズに気づくことができたら、その偏ったジャッジの呪縛から逃れることができます。

こんなふうに、どっちかが〇だ×だと決めるのはノイズの影響です。

痩せている=〇 太っている=×
自分を抑える=〇 言いたい放題に言う=×
自信満々=〇 気弱=×
決めるのが早い=〇 優柔不断=×
話がうまい=〇 口べた=×

では今度は次のジャッジを見てください。

ガリガリ=× ふくよか=〇
主張が弱い=× はっきりしている=〇
傲慢=× 謙虚=〇
せっかち=× 慎重=〇
おしゃべり=× 思慮深い=〇

どうですか?

ちょっと見方を変えたら、○と×なんて簡単に入れ替わるんです。

あなたもジャッジをしそうになったら、「またノイズが出てる」と思って、やめてみてください。

世の中の大抵のことは「どっちでもいい」んです。

ネガティブなジャッジを防ぐ「インナー舎弟」

ジャッジをやめようといっても、そう簡単にはできないかもしれません。

そんなあなたにオススメなのが「インナー舎弟」です。

自己肯定感が低めの人は、どんなジャッジにせよ自分を×にしてしまう傾向があります。

このインナー舎弟は、そんなネガティブなジャッジを防いでくれる、ちょっとした思考のコツです。

あなたの中に、なんでも自分を持ち上げてくれる子分のような人がいると思ってください。

わかりやすくいうと、ものすごい太鼓持ちです。

そしてなんでも褒めてもらう。

例えば、手にコップを持ったら「コップ持ったよ、すげえ!」、ジュースを飲んだら「ジュース飲んだ、素晴らしい!」、窓を開けたら「窓を開けるなんてすごい!」、箸を使ったら「箸が使えるんだ!かっこいい!」という具合に、些細なことをなんでも褒めてもらうんです。

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くだらないと思うかもしれないですが、心のクセを直すには反復が一番です。

繰り返すうちに、少しずつネガティブジャッジをやめられるようになります。

「どっちでもいい」精神で誹謗中傷に強くなる

ジャッジをやめることには、誹謗中傷に強くなる効果もあります。

社会問題化してきている、ネット上の誹謗中傷。

自分が誹謗中傷を受けるのは当然つらいですが、人が被害を受けているのを見るのも嫌ですよね。

悪いのは、もちろん誹謗中傷する側ですが、それを自力で止めるのは無理です。

今のところは、アカウントを閉鎖してSNSを止める、くらいしか方法がありません。

でもそれって、どこか納得いかないですよね。

そんな誹謗中傷に対して、覚えておいてほしいことがあります。

まず、誹謗中傷する人は、自己肯定感が低いということ。

むやみに他人を攻撃したり、ムキになったりするのは、自信のなさやコンプレックスの裏返しです。

ですから仮にあなたが攻撃を受けたとしても、自己否定する必要はありません。

相手も弱いのです。

当事者のつらさは本人にしかわからないので、あまり勝手なことは言えません。

でも相手も自己肯定感が低いのだと思えば、少しは心の逃げ場ができるかもしれません。

そして、誹謗中傷に傷ついてしまうのは、たくさんの人に認められたいという欲求があるからです。

認められたいという承認欲求は誰にでもありますが、それが大きすぎると、反動で心にダメージを受けてしまうことがあります。

そんなときこそ、ジャッジをやめて「どっちでもいい」精神になることです。

一方で否定されていることも、一方では肯定されることは、多々あります。

見方を変えればジャッジは変わる。

だから、あなたが否定されることも、肯定されることも、どっちもあるのが自然なのです。

もちろん、悟りでも開かない限り、承認欲求がまったくなることなんてありません。

好かれたいし、ちやほやされたいし、人気者になりたいのが人間ですからね。

だから、インナー舎弟や、ごくごく身近な人にだけ認めてもらっておきましょう。

SNSに投稿する前に、友だちや家族に話して「すごい」と言ってもらう。

これだけで、承認欲求を軽くすることができます。

メンタルノイズが消えると選択肢が2つになる

本当に望んでいることは、別にある

メンタルノイズを消していくプロセスの中で自分らしさを少しずつ発見していくと、「私って、なんでこんなことで悩んでいるの?」「私がやらなきゃいけないことってほかにあるんじゃないの?」と思うことが出てくるようになります。

今まであなたが悩んできたことは、ダミーだったことに気づく瞬間です。

ダミーとは、本当に望んでいることは、別にあるってことです。

簡単な例が、「お金持ちになりたい。でも、なれない」という悩み。

私のところにもよくある相談です。

そんなときに、必ず問いかけることがあります。

お金持ちになったら、どうしたいですか?

そうすると、次のような答えが出てきます。

・親も同居できる大きな家を買いたい
・憧れていた車に乗りたい
・海外旅行がしたい
・三ツ星レストランで食事がしたい

こうやって並べるとわかりますよね。

お金は単なる手段。

お金を使って何かをしたいから、お金持ちになりたいんです。

そのなにかをさらに突き詰めてみると、もっと違った目的がわかってきます。

例えば、大きな家を買いたいのは、

・家族の喜ぶ顔が見たいから
・自分の生きた証を残したいから
・たくさんの人に評価されたいから

ここまでくると、お金持ちにならなくたって、ほかの方法でいくらでも実現できそうですよね。

お金がなくても、家族を喜ばせることはできますからね。

前向きにあきらめるのも、自分らしく生きること

本当の目的に気づいたときに、それまで悩んできたことをやっぱり解決しようと頑張ってみるのも、ひとつの決断。

「やーめた」とあきらめるのも、ひとつの決断。

お金持ちを目指そうが、あきらめようが、どちらの選択も、自分が望んでいることだから、まったくストレスはありません。

「あきらめる」にはネガティブなイメージがありますが、前向きにあきらめることは、格好いいことなんです。

メンタルノイズをキャンセルしていく作業は、どちらを選んでも〇なんだと気づけるフラットな状態をつくることでもあります。

どちらも選べる。

これほど楽しい選択はないですよね。

【まとめ読み】『「自己肯定感低めの人」のための本』記事リストはこちら!

自分の基準で「あれは良い、これはダメ」。自己肯定感が低い人こそ逃れて欲しい「ジャッジの呪縛」 H1_「自己肯定感低めの人」のための本.jpg「〇〇すべき」とつい思ってしまいがちな心のクセを直すことをテーマに全5章にわたって素直な心の作り方を解説してくれます。

 

山根洋士(やまね・ひろし)
8000人以上の悩みを解決してきた心理カウンセラー。過去、過労死寸前まで追い詰められ、入院生活を送る中で心理療法と出会って人生が激変。AIやロボット工学、脳科学などを取り入れた「メンタルノイズメソッド」を開発。実践中心のカウンセリングで一線を画す。

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「自己肯定感低めの人」のための本』

(山根洋士/アスコム)

生きていると自然に物事を〇×判定してしまい、「〇〇はダメ」「××が悪い」という心のノイズが増えて雁字搦めになってしまう。8000人以上の悩みを解決してきた心理カウンセラーがそのノイズを取り除けば、もっと心穏やかに生きていけると説く良書です。つい無意識に決めてしまっている心のルールを見つけ出して解決するだけでなく、「しょうがないか」も解決法として自己納得感の高め方を教えてくれます。

■本の紹介動画もチェック!

※この記事は『「自己肯定感低めの人」のための本』(山根洋士/アスコム)からの抜粋です。

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