自宅の売却価格は安くても売るべき?「老後の住み替え」基礎知識

いま日本では空き家が増え続けています。地方だけの話ではなく、近年は都市部でも「空き家問題」が深刻化しています。特に1960〜1980年代にかけて開発された郊外の「ニュータウン」は空き家が目立つ状況です。また、誰も住んでいない実家の管理に頭を悩ませている人もいるようです。そこで、不動産の専門家で空き家問題に詳しい牧野知弘先生に「老後の住み替え」のポイントについて聞きました。自宅の売却価格は安くても売るべき?「老後の住み替え」基礎知識 1908p024_2.jpg

住み替える場所は立地の良さで選ぶ

「いまの我が家から住み替えを考えるときには、立地の良さを優先して探します。地域でいえば、中核都市の中心市街が住みやすいです」と牧野先生。どんな世代にとっても便利で魅力的な街なら、常に人の入れ替わりがあり衰退しません。立地が良ければ、将来、子どもが相続しても、賃貸に出すなど資産として活用できます。住み替え先の住居は、バリアフリーで戸締りが簡単なマンションにすると、年齢を重ねてからも安心です。

自宅の売却価格は安くても売るべき?「老後の住み替え」基礎知識 1908p024_1.jpg価格が安くても自宅を売った方がよい

住み替えを進める上で、自宅の売却を考える場合が多いでしょう。「自宅を売るとき、不動産会社が提示した売り出し価格が予想外に低く、売却をためらう人がいます」と牧野先生。

例えば、5000万円で購入した自宅を2000万円で売りたいと考えていたのに、査定額が1500万円だと言われてショックを受け、売却をやめてしまうケースがあります。「1年後にはもっと値下がりしている可能性が高いです。価格にはこだわらずに、買い手がいたら売却するのが得策です」と牧野先生。

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取材・文/松澤ゆかり、山川寿美恵

 

<教えてくれた人>

牧野知弘(まきの・ともひろ)先生

オラガ総研株式会社代表取締役。第一勧業銀行、ボストンコンサルティンググループ、三井不動産などを経て現職。不動産顧問、不動産プロデュース事業などを行う。著書は『こんな街に「家」を買ってはいけない』(角川新書)など多数。

この記事は『毎日が発見』2019年8月号に掲載の情報です。

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