長く続いたデフレのトンネルから脱しようとする日本。しかし、世の中的に景気がよくても、それを実感できていない人は多いのではないでしょうか? 老後破産や格差社会の不安が広がる昨今、自分を守るために必要なのが「お金の教養」です。
本書『知らないと損をする! 株高時代の「お金の教養」』で、株高時代を逃さず、チャンスをつかむ方法を学びましょう!
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株主優待で賢くオトク
好景気のときに株式投資を始めると、いいことが二つあります。一つはいうまでもなく、株価が上がるのでお金が増えること。売買で得をするだけでなく、配当金も増えます。そしてもう一つが、株主優待です。収益が上がったぶん、企業は一定数以上の株を保有する株主に、特典という形で利益を還元します。
実はこれは、海外ではほとんど見られない日本特有の制度。外国人投資家は「優待に回すならそのぶん配当を多くしてほしい」と考える人が多いようです。しかしご贈答文化が根付いている日本人にとっては、お得な気分がますます盛り上がる嬉しい制度です。
株主優待に力を入れている企業は、株を買うときにかけたお金よりも多くが還ってくる、利回りの良い特典を提供してくれます。銘柄を選ぶときに優待の内容と利回りも、チェックしておくとよいでしょう。
株主優待の内容はさまざまで、ユニークなものも多々あります。芸能事務所の「アミューズ」や「吉本興業」は、イベントや舞台の招待券を送ってくれますし、住宅設備メーカー「LIXIL」グループではハウスクリーニングやリフォームサービスの優待券がもらえます。おなじみの「お世話になってます株」の会社なら、たいていの場合はその会社の製品を送ってくれます。
アサヒグループホールディングスは酒類・清涼飲料水等の詰め合わせ。「株主様限定特製ビール」というオリジナル品を選ぶこともできます。キッコーマンの株主優待は、醤油やめんつゆなど自社製品の詰め合わせ。ライオンは歯磨き粉・歯ブラシをはじめボディソープや柔軟剤など。カット野菜などを外食チェーンに提供する「デリカフーズ」の優待は「こだわり野菜・果物の詰め合わせ」。1000株以上を3年保有している株主には、高級米も贈呈してくれるそうです。
これらの品は、日常生活にすぐ利用できます。そのぶん、生活コストが下がります。下がったぶんは家計の余裕になり、それが金融資産になります。しかも送ってくるものは上場企業の品物とあって、クオリティは保証付き。スーパーやドラッグストアで買うよりも、良いものが手に入ります。株で資産が増えるだけでなく、優待でますますお得に。賢い株主になれば、生活のうるおいや楽しさが、一段と上がるでしょう。