今回のバブルは国境を越えている! 世界を巻き込む「マネーバブル」の波に乗ろう/お金の教養

pixta_30508375_S.jpg長く続いたデフレのトンネルから脱しようとする日本。しかし、世の中的に景気がよくても、それを実感できていない人は多いのではないでしょうか? 老後破産や格差社会の不安が広がる昨今、自分を守るために必要なのが「お金の教養」です。

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「2019年までにチャレンジを」 理由は消費税

こうした施策を中心に、2020年までに名目経済成長率4%を達成したいと表明している政府ですが、真のデッドラインは2019年だと私は考えます。その理由は、先ほどもチラリと触れた消費税増税。

安倍首相は、2019年 10 月に消費税を 10 %に引き上げる意向を示しています。前述の通り、増税すると株価は下がります。景気が悪くなるからです。8%にアップさせたときの苦い経験もあり、 10 %への引き上げは再三延期されてきました。しかし今回は安倍首相も麻生財務大臣も、「もう先延ばしはしない」と明言しています。

ならば少しでも早くデフレ脱却宣言をし、増税で少々冷水を浴びても大丈夫な状態を整えるしかありません。

もちろんダメージをゼロにはできませんが、その程度を軽くしたい。そのためにも、この時期までに景気を十分に温めておきたいのです。

逆に、もしインフレ率2%を達成せずに増税したら、再びデフレに舞い戻るのは必至。その場合は、増税をまたもや見送らなくてはならなくなるでしょう。安倍首相にとっては正念場です。黒田日銀総裁もまた、正念場です。この3月に続投が決まりましたが、2019年半ばまでの2%達成が、再任の条件だったに違いないと思います。

実をいうと、個人的には、私は続投しないほうがよかったと考えています。というのも、黒田総裁が少々「息切れ」しているからです。就任以来強気に量的緩和に取り組んできたものの、2016年には「マイナス金利政策」を採用。これは金融機関からも非難ごうごうですが、インフレ率2%達成の面から見ても得策ではないと思います。

デフレ脱却には、金利を下げるよりも、大量のお金を市場に送り込むのが一番。リーマンショック以降、FRB(米連邦準備制度理事会=アメリカの中央銀行に相当)もECB(欧州中央銀行)も、その方向性に徹してきました。その結果、米国はすでにインフレの国となり2%以上の経済成長を実現、EUもデフレ脱却間近です。日本だけが、いまだデフレ脱却せずなのです。

なぜなら、一部でいわれているように、日本の量的緩和が足りないからです。今はむしろ縮小していますが、デフレに戻る可能性を完全に断ち切るために、量的緩和を今後も推進してほしいところです。

 

すでに始まっているマネーバブル

さて、各国がリーマンショックによるデフレ危機脱却のために徹底的な量的緩和を行ってきた─これが何を意味すると思いますか?

答えは今、世界中にお金があふれているということです。そこから起こる現象、それこそが「マネーバブル」です。現在、世界中で資産インフレが起こっています。株をはじめとする金融商品や不動産など、金融資産がどんどん値上がりしているのです。

ここで思い出されるのが、1986年から1991年ごろまで日本を席巻した「平成バブル」。このときのバブルは不動産が主役でした。「土地は永遠に値上がりする」という土地神話のもと、転売目的で土地を買う人が急増。日本全国の地価が異常なまでに上昇し、株価も3万8915円という史上最高の高値をつけました。

その結末が悲惨だったことは、ご存じの通り。

しかし私がいいたいのは、そうした悲観的な話ではありません。平成バブルは日本だけで起こった現象ですが、今回のマネーバブルは国境を越えています。世界的なスケールでのマネーバブルです。たとえば、最近顕著な傾向として見られるのが債券市場の活況。外国債券(外貨建ての債券。外債)における、バブル的な現象です。2017年6月、アルゼンチンが発行した「100年国債」(100年後に償還する国債)には、応募数の3倍もの申し込みが殺到しました。

アルゼンチンと言えば、デフォルト(債務不履行)の常習国。信用度はほぼゼロといっていいはずなのに、8%という超高利回りに投資家たちが飛びつきました。アフリカのコートジボワール国債でも、6. 25 %利回りの 16 年債がたちまち完売しました。政情不安定な国であるにもかかわらず、この人気。

いかに世界中にマネーがだぶついているかがわかるというものです。もちろん、アルゼンチン国債を100年間持ち続けるつもりで買うのではありません。今後金利が下がれば債券価格が上がるので、その売却益を見込んでのことです。

 

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菅下清廣(すがした・きよひろ)

スガシタパートナーズ株式会社代表取締役。国際金融コンサルタント。投資家。学校法人立命館 顧問。メリルリンチをはじめとする名門金融機関で活躍後、現職。
変化の激しい時代に次々予想を的中させることから「経済の千里眼」の異名をもち、政財界にも多くの信奉者をもつ。『今こそ「お金の教養」を身につけなさい』(PHPビジネス新書)、『マネーバブルで勝負する「10倍株」の見つけ方〔2018年上半期版〕』(実務教育出版)など著書多数。

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(菅下清廣/KADOKAWA)

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この記事は書籍『知らないと損をする!株高時代の「お金の教養」』からの抜粋です
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