いつか訪れるかもしれないひとりの暮らしに備え、人生の後半戦は生活を小さくラクにしていきたいもの。Twitter フォロワー数20万人超! 90歳インフルエンサー(※1)の大崎博子さんに、「やっておいてよかったこと」をお聞きしました。
【前回】将来設計の専門家・下村志保美さんに聞いた「おひとりさま暮らし」に備える「始めること」「やめること」
78歳でパソコンデビュー"世界"が広がりました
「健康で長生き」が目標
ボーッとしてちゃダメ!
昨年11月に90歳を迎え、「人生で、今が一番幸せで楽しい」と笑顔で語る大崎博子さん。
シングルマザーなどという言葉がない時代に離婚し、仕事をしながら娘を育てあげました。
20年ほど前に現在お住まいの都営住宅に移り住み、「おひとりさま」暮らしを満喫中。
颯爽(さっそう)とした姿で元気に暮らすその秘訣は「きちんと脳を使って、周りに迷惑をかけずに生きたい」という強い思いにあるといいます。
「健康的に長生きすること。これが何より大切なことだと私は考えています。そのためには、毎日ただボーッと生きていてはダメ。娘や周囲に迷惑をかけないためにはどうすればいいか、常に考えることが大切だと思っています。また、趣味でも勉強でもなんでもいいのですが、楽しみを持って暮らすことは、生きる力になります。ただし、その楽しみを見つけるためには自分から動くことが必要。人から教えられたもの、与えられたものが自分に合うとは限りません。自ら進んで挑戦し、新たな楽しみを発見していく。その繰り返しだけでも、毎日が活力あふれるものになります」
そんな大崎さんは、78歳のときに家族からすすめられパソコンデビュー。
国際結婚をして英国に住んでいる娘さんから、パソコンを通せば電話代がタダになると聞き、購入したのがきっかけでした。
それからほどなくして経験した東日本大震災。
電話がまったく通じない中「Twitter(ツイッター※2)だけが通じて生存確認ができたことに感動したという大崎さん。
戦争時の体験と震災のつらい現状が重なり、自らの思いをTwitterで発信するようになりました。
今では20万人を超える人が大崎さんのツイートを楽しみにしています。
「財布を忘れても、写真撮影やツイートをするためのスマホは忘れません。『おひとりさま』の暮らしでも、スマホが世界とつなげてくれるのでありがたいですね」
※1 インターネットなどを通じて情報を発信し、世間に影響を与える人
※2「 つぶやき」と呼ばれる140字以内の短い記事を、配信したり読んだりできるインターネット上のサービス
大崎さんの一日
6~7時頃
起床、軽めの朝食を取る
7時15分~
近くの公園まで歩き、太極拳を行う
その後公園内を散策。1日8000歩が目標
10時~
帰宅後、掃除、洗濯、入浴をする
12時~
昼食
14時~
Netflix(※3)で推し活(※4)
16時30分~
買い物や夕食の準備
18時30分~
夕食、食後、娘とLINE電話
21時~
ニュース番組を見ながら、合間に5分程度の体操をし22時就寝
取材・文/和栗 恵 撮影/齋藤ジン