トイレに間に合わず涙の義母。高齢者の移動で気を付けるべきこと

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ねこのしっぽ
性別:女
年齢:52
プロフィール:高齢者の移動、それはたった20分の道のりであってもトイレ問題が勃発することがあるのです。

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90歳を目前に足を骨折した義母が、いつもとは違う病院への通院を余儀なくされることとなりました。義母は現在介護施設に入所しているのですが、怪我などでの通院となると家族が病院に連れて行くことになります。初めての場所への移動が不安だったので、夫と私の2人で母を病院に連れて行くことになりました。


夫婦それぞれで役割分担をすることにしました。夫は車の運転と母の歩行を担当。そして私は、車内での母のお世話&手荷物の管理・病院での支払い関係・トイレ休憩のサポート担当になりました。

とはいえ、母が生活している介護施設から病院まで片道約20分と比較的近い距離ですので、初めは不安だったものの、1年余りの通院期間で特に問題が起こることはありませんでした。

そんな感じで通院にも慣れ、もう大丈夫と安心しきっていたころにトイレ問題が勃発しました。それはいつも通りに夫と一緒に義母を連れて病院へ向かう途中の出来事でした。義母から「トイレに行きたい」と告げられ、すぐ近くのコンビニに向かいました。ですが到着したところで、「コンビニのトイレは狭くて使い勝手が悪い。ドラッグストアとかスーパーの広いトイレに連れてって」と言われたのです。以前はコンビニのトイレでOKだったのでちょっとびっくりしたのですが、きっとそのときに何か問題があったのでしょう。「広くて使いやすいトイレ=多目的トイレ(多機能トイレ)のことだな」と考え、さっそく検索開始です。すると、一番近くの多目的トイレは目的地の病院だということがわかり、仕方なく到着までガマンしてもらうことになりました。

しかしその結果、間に合わせてあげることができませんでした。

これは義母にとって本当につらいことだったのでしょう。「ごめんなさいね」と何度も言いながら涙をこぼしてしました。その場は「大丈夫、大丈夫」とやり過ごしたのですが、後味の悪さに私たち夫婦も落ち込みます。

この経験から私達は「トイレ1つで義母にこんなつらい思いをさせてはいけない」と奮起。「お義母さんラクラク移動プロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトの最大の目的は「義母がトイレの心配をすることなく安全にラクラク移動すること」です。そのために具体的に何をどうするのか、アイデアを出し合って実践方法を取り決めました。

具体的な方法は、以下の4点。

1:介護施設から目的地の病院までの多目的トイレをリサーチ。
2:移動ルートは多目的トイレ同士を線で結んだルートにすること。
3:混雑を避けるためるため、移動する時間ごとにルートを工夫すること。
4:多目的トイレ付近になったら、それとなく「大丈夫?」と確認すること。

これを元に移動することにしました。

しかし細かな点はやってみないとわかりません。ということで、私がシミュレーションしてみることにしました。その結果、「多目的トイレの目の前に車が止められない」などの問題が顕在化し、その場所の多目的トイレは避けることに決めました。このように厳しくチェックすることで、ベストな移動ルートが判明。出発地点の介護施設から3箇所の多目的トイレを経て移動することに決まりました。


一番最初の多目的トイレまでは約10分と、この間は少々緊張しつつの移動となります。しかし、その次の多目的トイレまで約1分、そしてその後は5分、そして目的地へ到着するので、後半の移動は比較的安心感をもって動けるルートとなりました。

高齢者の移動、特にトイレ問題はとってもセンシティブ。だからこそ周囲のサポートで何とか問題を回避する工夫が必要だと痛感しています。きっとこれは誰もが通る道。これからも可能な限りサポートしながらラクラク移動を実現していきたいと思います。

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