<この体験記を書いた人>
ペンネーム:naranara
性別:女
年齢:56
プロフィール:旅行と音楽が好きなベテランOL。
私には、母方の叔母Aがいます。彼女は85歳、未婚。身寄りは母と母の妹のみです。
これまで四国で長年昭和の職業貴婦人として働いていたせいか、身内の行事はなんでも仕切らないと気が済みません。さらに、何か話題が出たら、すぐに「私は」「私の場合は」「私の時は」と自分の話にすりかえてしまいます。
先日、父方の叔父の葬儀がありました。近年、私の身内の葬儀は、完全に家族葬が主で、3親等の親族も参加しないことが多々あります。そのときも叔母Aへは母方ということもあり、通夜も葬儀も参加のお知らせはありませんでした。
姪の私も、叔父の葬儀には欠席することにしていました。通夜のために地元に帰ってきた従兄弟たちに挨拶する程度です。その際にお香典を渡そうと準備していました。
ところが、叔母Aは、私と父(入院中)との会話から父方の叔父の葬儀のことを知り、入院中で葬儀に参加できない父の代わりに私に自分の香典を届けるようにと、わざわざ香典を用意して私に手渡してきたのです。
叔母Aの気持ちを汲んで一旦は受け取ったものの、父に相談すると、「親戚の中での関係や釣り合いもあるから、今回はお前から叔母Aに返しなさい」と言われ、叔母に返すことになりました。当然、叔母はなぜなのだと大さわぎ。手間がかかること、また叔母を気遣った会話が必要でうんざりしました。
先日は別の親戚の葬儀の際に私の母と叔母Aと共に参加することになったのですが、車で迎えにいった叔母が何やら大きな荷物を持っているのです。尋ねたら、「お通夜に参加する皆さんに食べてもらう為に、巻き寿司を作って持ってきた。こういう時は、女の親族の常識」とのこと。母に事前の相談もない行動でした。
それを知った母は困ったのだと思います。通夜には、喪主の奥さんがお寿司屋さんに注文していた巻き寿司があったのですが、母がこれを叔母Aにわからないようにそっと隠しているところを目にしました。
叔母Aは、ずっと独身を通し、職業夫人として中小企業の経理や総務の仕事を続けてきました。社長や役員の冠婚葬祭の電報やお花、さまざまなことに対応してきたので、世間一般の常識がある、という自信があるのでしょう。 それは尊敬に値することで、私自身も感謝することも多いのですが、とにかく高圧的で空気を読まないのです。
同じ独身という名のバツイチおひとりさまの私を心配しているのか、よく「私の場合は〇〇、だからあたなもこうするように」とさまざまに意見をしてきます。長時間そばにいるとぐったりと疲れてしまいます。実は叔母Aは、おひとりさまの私の反面教師です。
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