<この体験記を書いた人>
ペンネーム:入浴中
性別:女
年齢:53
プロフィール:専門学校生の息子がいるシングルマザーでフルタイム勤務中。近所は老人ばかりで町内会と老人会は活気があります。
この間、市主催の町会対抗運動会がありました。この運動会は大人から子供まで参加でき、様々な競技があって老若男女問わず楽しめる工夫が凝らされています。
運動会のお弁当は町会毎に参加人数分+いくつかをお弁当屋から取り寄せ、ジュースやお茶を付けて参加した人に渡します。お弁当の予算はもちろん町会費から出ています。
私はフルタイムで働いていることもあり、休日は溜まった家事を片付けるのに忙しく、町会の役員になった時以外は運動会には出席しません。ただ、Aさんご夫婦はこの運動会をとても楽しみにしているようで、運動会前日に遠方の孫を家に呼びよせ、朝早くから運動会の観覧場所を確保し、孫を競技に参加させて1日遊んでくるのです。
運動会があった夜のことです。私はそんな行事があったことも知らず溜まった家事を片付け、ホッとしたところで少し早く(夜19時)お風呂に入っていました。
すると玄関のチャイムが鳴りました。入浴中のため、声は出さずそのままにしておいたら、またチャイム。宅急便なら不在届を置いて帰るはずだし......と考えていると、玄関の方から何やら怒鳴り声が聞こえます。よく聞くと「〇〇(うちの苗字)さん、......を持ってきたわよ!」とA奥様が大声で何やら言っています。
"......を持ってきた"? 私は何のことかわからず、浴室のドアを開け「Aさん、私、いま手が離せないんで、あとで良いですか?」と叫ぶと「お風呂でしょ? お風呂の窓に回るわよ!」と言うではありませんか。
私が「いえいえ、後でお宅にお伺いします!」というと「大丈夫よ! お風呂の窓の下まで行けるから!」と家の敷地にズカズカと入り込み、お風呂の窓の下まで来ると「ちょっと窓開けて!」と言うのです。
お風呂の窓は通りに面しているので、窓を開けるとお風呂の中が見えてしまいます。
そんな心配をよそにAさんは「窓、開けなさいよ!」と。「今、窓が壊れていて開かないんです」と嘘を付くと「じゃ仕方ないわね。あのね、今日市の運動会でお弁当が出て、余ったから持ってきたのよ。食べて」と言います。
その日はかなり暑い日でした。その日にどんな管理をされていたか判らないお弁当をくれるというのです。
私は「いつもありがとうございます。でも今日はもう晩御飯を作ったので大丈夫です。Aさん召し上がって下さい」と返すと、「私は昼に貰って食べたのよ。晩御飯は冷蔵庫に入れておいて、これ食べなさいよ。1食分、助かるでしょ? 節約になると思って持ってきたのよ」と恩着せがましく言います。「でも運動会に出てないのに申し訳ないです」と言うと「いいのよ! 町会費なんだから。それより、窓が開かないとお弁当が渡せないわねぇ」と言うので「では、後で取りに伺います」と言って、やっとAさんにお引き取り頂きました。
早く上がらないとまた押しかけて来るかも! と思うと気が気でなく、優雅にゆっくり入ろうと思っていたお風呂から早々に上がり、お弁当を引取りに行きました。
引き取ってきたお弁当はごくごく普通の幕の内弁当で、やっぱり少し悪くなっているようでした。そっとばれないようにゴミ袋に入れたのは言うまでもありません。
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