<この体験記を書いた人>
ペンネーム:kame
性別:女
年齢:52
プロィール:90歳を目前に義父が他界しました。残された義母は自宅での生活を頑張っていたのですが......。
80代後半に差し掛かる頃に義父に先だたれた義理の母。その後も「自宅でずっと過ごしたい」と希望して頑張って生活していたのですが、90歳を目前に介護施設に入所することになりました。
その原因は足の骨折。骨折の原因はなんと畳でした。畳の端っこ、ちょっとだけ高くなっている段差につまずいて転倒してしまったのです。
勤勉な義母は、以前から骨折が寝たきりにつながる可能性が少なくないこと、高齢者の転倒がその骨折につながること、その具体的な内容などをしっかりと理解して、自ら対策を実施していました。例えば段差は必ず手すりを持つ、靴やスリッパは底が滑らなくてフィット感が良いものを選ぶ、お風呂などの濡れた場所などではゆっくりと行動するなどなど、細心の注意を払って生活していたのです。
そんな義母であっても、まさか畳の縁が障害物になるとは想像もできなかったのです。これには私たち夫婦もびっくり。「そんなことって......」と言葉を失ってしまいました。
幸いなことに骨折の程度は比較的軽く、短期の入院ですぐに元の生活に戻れると医師に告げられて一安心......のはずでした。
しかし、慣れない病院での生活の中で、なんと廊下で滑って転倒。軽度の骨折が重度の骨折となってしまったのです。元々の骨の状態もよくなかったこともあり、長期間の入院を余儀なくされました。
その後、リハビリを頑張って何とか歩けるまでに回復したのですが、補助は必要となりましたので、入院前の生活は到底無理な状況です。もう、介護施設への入所以外の選択肢は私たちには残っていませんでした。
結局は入院からスライドするように、介護施設での生活をスタートさせることになったのですが、とても悲しそうな義母の顔を見ていると、申し訳ない気持ちでいっぱいです。しかしこの時にはそれが精一杯。心を鬼にして介護施設への入所手続きを進めていきました。
最初は抵抗していた義母でしたが「安全に生活するには仕方ない」と説き伏せた結果、しぶしぶ納得してくれました。
こうして義母の介護施設での生活がスタート。心はチクッと傷みますが、これでもう安全に生活できると考えると正直ほっとしている部分の方が大きいです。
ですが、安心ばかりはしていられません。今度は金銭的な問題があります。どの程度お金が必要なのかびくびくの私たち夫婦。それに、それを誰が賄うのか兄弟を中心にした話合いも必要となりますので、これはこれでとっても高いハードルでした。 どこの家庭もまだまだ学生の子供を持つ身でしたので、金銭問題の解決は至難の業。まさに手探り状態。夫とその兄が中心であれこれ話し合いをしつつ、今も何とかやりくりしているのが現状です。
加えて生じるのが介護。いくら介護施設に入所しているとはいえ、義母が外出を望めば車での送り迎え、その間の生活面のサポートは必須になります。歩くこと、食べること、トイレ、薬の時間など、すべてにおいてサポートをしながらの生活です。
どちらも正直とても大変ですが、母は自分である程度生活できていること、会話が可能なことなどを考えると、私たちはまだ幸せなのかもしれないとも思っています。
これからもずっとサポートができるよう、適度に気を抜きつつも踏ん張っていきたいと思います。
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