「片脚立ち」「かかと上げ」でバランス力を鍛えて転倒を防止!/圧迫骨折

pixta_16859589_S.jpg背骨は、首から腰まで24個の骨がつながってできていて、それぞれの骨の積み重なっている円筒形の部分を「椎体(ついたい)」といいます。圧迫骨折とは、この椎体が潰れてしまう骨折です。高齢の女性に多く、尻もちをつく、重い物を持つなどの大きな負荷、そして骨粗鬆症が主な原因です。背骨は体を支え、脊髄を保護する重要な役割を果たしています。この背骨が潰れてしまうと、強い痛みや日常生活への支障が出るほか、身長が縮んだり、背中が丸まったりして、見た目の老化にもつながります。

今回は圧迫骨折の症状や治療法、圧迫骨折の原因となる骨粗鬆症について、伊奈病院整形外科部長の石橋英明先生にお話を伺いました。

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前の記事「タンパク質、カルシウム...骨を健康にする栄養素/圧迫骨折(11)」はこちら。

 

運動習慣を身につけて
骨の健康維持に努めましょう

「骨を丈夫にするためには、食事と日光浴のほか、適度な運動が必要です。日常的に運動することは、骨量の減少を抑えたり、転倒のリスクを減らしたりするなど、骨折予防に有効なことが分かっています」と、石橋先生。

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運動は、筋力トレーニングのほか、ウォーキングやジョギング、自転車などの有酸素運動を少し息が弾む程度行うといいでしょう。ですが、毎日時間を決めて行う必要はありません。仕事や家事の合間など、日常生活の中で体を動かすことも運動です。

「転倒に気を付けながら、できるだけ階段を使うようにする」「隣の駅まで歩く」など、無理のない範囲で体を動かしましょう。ここからは、家の中でも手軽に行えて、骨密度の低下防止に効果的な運動を紹介します。骨粗鬆症の治療中の方、ひざや腰に痛みがある方は、運動を始める前に、必ず医師に相談してください。

 

●骨を強くする運動

「片脚立ち(開眼片脚起立運動)」
バランス感覚と筋肉が強化され、転倒予防にも役立ちます。片脚で立つことで、両脚で立っているときの3~5倍の重力がかかり、脚の付け根の骨密度のアップに効果的です。
1日3セットを目標にしましょう。

(1) 両手を腰に当て、片側の脚を床から5~10㎝上げて1分間静止します。
(2) 同様に反対の脚で片脚立ちして1分間静止します。
※体がふらつく場合は、机や壁など支えにできる物がそばにある場所で行いましょう。

 

「かかと上げ」
ふくらはぎの筋肉を強化します。
最初は10~20回、慣れたら20回を、1日2~3セット行いましょう。続けて行う場合は、間に10~20秒の休みを入れます。

(1) 脚をやや開いて立ち、背伸びをするようにかかとをゆっくり上げます。無理せず上げられる範囲でかまいません。
(2) ゆっくりかかとを下ろします。
※脚の強さに自信がある人、40代までの人は、かかとを下ろすとき、脚の付け根に衝撃を感じる強さで行うと骨に負荷がかかり、強い骨づくりに役立ちます。50代からは腰や膝に痛みが出ない範囲で行いましょう。

 

 
「ウォーキング」
歩く速さや距離は、疲れがたまらない程度を目安に、様子を見ながら徐々にレベルアップしていきましょう。歩く際は、お腹を締めて、胸を張って、姿勢良くスタスタと歩くことがポイントです。その他に、歩く際に気を付けることを簡単に説明します。

(1) 視線は前方に、やや遠くを見るようにします。
(2) 後ろの足のつま先で地面を蹴るように踏み出します。歩幅は広めを心がけましょう。
(3) かかとから着地します。このときつま先は上を向くようにします。
※歩いていて下肢に痛みが出る場合は、無理をしないようにしましょう。

ひざや腰に痛みがあっても、生活に支障がない程度であれば、ウォーキングや運動を行ってもかまいません。また、運動後にひざや腰の痛みが出たり、増したりする場合も、すぐに治まるようであれば、続けて問題ありません。痛みが翌日まで続く場合は、3日間お休みして前回の半分程度の運動量から再開しましょう。

 

次の記事「スクワットで下肢の筋肉を強化。転倒を防止して骨折予防/圧迫骨折(13)」は近日公開。

取材・文/笑(寳田真由美)


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石橋英明(いしばし・ひであき)先生

伊奈病院整形外科部長、NPO法人高齢者運動器疾患研究所代表理事。1988年東京大学医学部医学科卒業。三井記念病院、東京都老人医療センター(現・東京都健康長寿医療センター)整形外科などの勤務を経て、1992年より東京大学大学院医学系研究科にて骨代謝研究に従事。1996年に博士学位を取得し、米国ワシントン大学医学部に留学。帰国後、東京都老人医療センター整形外科に勤務、2001年より同センター整形外科医長。2004年より現職。専門は骨粗鬆症、関節リウマチ、関節外科。著書に『よくわかる最新医学 骨粗鬆症 予防・検査・治療のすべてがわかる本』(主婦の友社)、『骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン(共著)』(ライフサイエンス出版)ほか。

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