「あんなにオシャレだったのに...お母さんどうしちゃったの!?」認知症に気づくまで/うちの親にかぎって!

こんにちは、松風きのこです。母が認知症では!?と思いあたり、病院を探したのにいっこうに受診してくれないというもどかしさを抱えたまま、月日は過ぎて行きました。

そもそも違和感を感じているのは、たまに会う私だけ?毎日一緒にいる父は、なぜおかしいと思わないのでしょうか。

そういえばここ数年、実家では不可解なことがいくつもあったのを思い出しました。ひとつひとつは取るに足らないことだったので、いつも笑い話で済ませていたのですが、いったんそうかな?と思ってしまうと、どれもこれも予兆だったような気が...。

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「お母さーん!お風呂にシャンプーがないよ??」髪も肌も、ボサボサでカサカサに。

思い返すと一番最初に衝撃を受けたのは、沖縄旅行からさらに遡ること7年前、つまり今から10年前のお正月に帰省したときでした。
実家のお風呂で髪を洗おうとしたら、シャンプーがないのです。カラなのではなく、ボトルごと。お風呂場から「おかあさーん!シャンプーはぁぁ?」と叫ぶと「そこにあるでしょー?」と...。
でもどう探しても父が使っている、男性用のスカーっとするやつだけ。リンスやコンディショナーもなし。まさかと思ったけど、それで合ってると。
こんなので洗ったらバサバサになっちゃ...ていうかもうなっている!?!?

母が、ほんのちょっと見ない間に急激に老けてしまっていたのです。髪はバサバサでツヤがなく、肌もカサカサ。
年末に風邪を引いて3ヵ月も寝込んでいたと聞いていたので、そのせいでやつれたのかと思っていたのですが...。

洗面所を見ると化粧品も、もう長いこと使われていないような形跡が。キャップがカピカピに固まっているし、匂いも色もなんだか変...?
それまで私は実家に帰ると、母の化粧品を借りるのが恒例でした。母はセールスに弱く、美容室の専売品やデパートの実演、はたまた訪問販売でも勧められるがままに買ってしまい(つまりいいカモ...汗)、私では買わ(え)ない高価なものを使っていたので、ここぞとばかりにお試ししちゃうのが楽しみでもあったのです。

納品第4話うちの親に限って.jpg

 

無駄に買わなくなったのはいいことなんだけど、それにしても自分が老けたことを気にしてないのかな?鏡も見ていないのかな?
オシャレについてはまったく門外漢で口出ししたことのない父でさえ「髪が伸びっぱなしでだらしないじゃろう?美容院に行けとすすめても行かんのじゃ。きのこがいる間に連れて行ってやってくれんか」
というので母に行こうと誘うと、担当者が辞めて下手になったとか、予約カードをなくしたとかで「いまは行きたくないけど、ちゃんと自分で行くから大丈夫」と断られてしまいました。

昔から母は身なりや容姿には気を遣うほうだったのに、こんなに無頓着になるなんて。
この時はまだ、風邪で弱ったから一時的なものかな?この状態が続くなんて...いえ、もっとひどくなるなんて、想像もしていなかったのです。
(何年も後で分かったことなのですが、この時点ですでに美容院に電話をかけて予約する、ということができなくなっていたのです。もしかしたらシャンプーもしていなかったのかも...。できないことを隠すために、もっともらしい言い訳をしていたので、父も私も本当の理由は気づいていませんでした)

次回に続く。

 
イラスト/にのみやなつこ

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松風きのこ(まつかぜ・きのこ)さん

大学進学で上京し、広告制作会社でコピーライターを経験したのち、広告、雑誌を中心としたフリーライターに。父(82歳)母(81歳)は福岡在住。5年前、父が頸椎の手術をしたのを機に、それまで年に1週間程度だった帰省を3~4ヵ月間に増やし、さらに母が認知症と分かったため、東京と福岡を往復しながら遠隔介護中。母が認知症だとは気づかずに過ごした数年の間に、周囲がみんな逆効果の対応ばかりしていたことに思い当たり、この体験記を書くことに。

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