米山公啓先生にきく「他人事ではない認知症」(1)どうやって予防するか

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ある年齢になれば誰もがある日、思います。「もしかして認知症では?」

親の場合は現実であり、深刻です。

2012年の厚生労働省の調査では、認知症と診断された人の数(推計)は、約462万人。長く生きればそれだけ発症の可能性が高くなる病気、それが認知症です。

『認知症は予防できる』(ちくま新書)の著書もあり、母親をはじめ老人の診療経験が豊富な、神経内科医の米山公啓さんに、どうすれば予防が可能か、一緒に伺っていきましょう。

  

なんとか、ひとりで生活できる。それがとても大事なこと。

--- 80歳、90歳まで生きる時代ともなれば認知症は他人事ではありません。何とか予防できないかと思います。できますか?

米山 どんな病気も同じですが、これをやれば、あれを食べれば発症しない、という予防法はありません。認知症も同じです。私が予防できると言うのは、それでもやったほうがいいということがいくつかあるので、そうした小さな積み重ねをちゃんとやって少しでも発症の危険性を減らしましょう、ということです。
認知症は、物忘れ、つまり記憶力の低下によって診断されてきましたが、今では自立して生活できないレベルを指すようになりました。物忘れがあろうと計算ができなかろうと、行動がおかしくても、ひとりで生活ができれば認知症とは言わない、そういうふうに変わってきました。

--- なんとか、ひとりでやっていける、そうでありたいですね。

米山 そう。そういう人って結構いるんです。家族はもちろん、地域に支えられたり周りに面倒を見てくれる人がいたりしてね。医学的に検査をすれば認知症ですけれど、それは年を取ったらしょうがない。年を取っても衰えが少なく元気な人もいますが、それは例外。多くはそうはいかない。それが私の視点です。

--- 確かに。例外を目指すのも困難です(笑)。逆に言えば、そういう社会環境を整えることが大事になりますね。

米山 都心では見かけませんが、私が開業している郊外、あきる野市ではそういうお年寄りが少なくないですよ。コミュニティーが全然違いますからね。認知症の予防についての考え方と並んでもう一つ、私にはかねてより言いたいことがあって、それは、どうやって今住んでいる場所で最後まで楽しく過ごせるかということ。認知症でも時間と場所がわかるレベルなら、それを可能にしたい。

--- 同感です。生き方、死に方ですね。

米山 長生きして楽しい、それが認知症予防につながるようになっていくといいですよね。

--- まったく。さあ、そのためには何をすればいいか。次回は、やったほうがいい"小さな積み重ね"を教えていただけますか。

次の記事:「米山公啓先生にきく「他人事ではない認知症」(2)すべては日々の暮らし方から」はこちら。

聞き手/編集部 撮影(プロフィール)/木下大造

  

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<教えてくれた人>
米山公啓(よねやま・きみひろ)先生
1952年、山梨県生まれ。聖マリアンナ医科大学医学部卒業後、同大学に勤務。第2内科助教授を経て、98年退職。父親の「米山医院」を後継し臨床の現場に立つとともに、医学実用書はもとよりエッセイ、医学小説など、長年にわたって精力的に執筆を続ける。主な著書に『今日からできるボケない生き方』(三笠書房)、『できる人の脳が冴える30の習慣』(KADOKAWA)など。
この記事は『毎日が発見』2015年6月号に掲載の情報です。

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