<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みわちゃん
性別:女性
年齢:62
プロフィール:料理本を見ながら「きょうは何作ろうかな」とわくわくする世界を楽しんでいます。
私の母は、TVで放送されている料理番組のテキストを、創刊号から毎月定期購入しています。
なんと最近まで、約60年分のテキストが家にあったくらいです。
最初の頃はB5ぐらいの縦幅の正方形のようなテキストでしたが、今はA4サイズぐらい。
これが家の本棚を思いっきり占領していました。
この他にもさまざまな料理本が実家にはあふれています。
これだけあったらどれだけ料理のレパートリーがあるんだろう...という感じです。
ところが、母自身はテキストを買ったところで『気持ち』は終わっています。
買うだけ買って、まったくと言っていいほど使わないのです。
「せっかく料理の本を買っているんだから、これを使って料理したら?」
そう聞いても答えはいつも同じ。
「ちゃんと読んでいるわよ」
でも、テキストを使って料理をしているところなど見たことがありません。
しかし、私にとっては、これらの料理の本は、わくわくする世界に誘ってくれるものでした。
料理の基本、さまざまな調味料、驚きの世界のスパイス、こんなスイーツもお家で作れるの? なんていうものまで、いろいろと学びました。
料理の本の12月号は毎年決まって『お節料理』の特集があります。
お重に飾られたお料理は豪華そのものです。
お正月の所作や土地土地の催しなども特集されており、将来『おばあちゃんの知恵袋』になるなぁ、というものがたくさん掲載されていました。
心踊る料理の写真と分かりやすい料理法に、当時中学生だった私は、本を参考に見様見真似でお節料理を作ってみました。
お正月の料理では、桜の花、扇子、松飾などの飾り型、伊達巻用の木でできた巻きすなど、なかなか高級な道具が必要だったのですが、お小遣いでがんばって購入しました。
作り上げたお節料理を、家族は「美味しい」と大絶賛!
それからというもの、毎年のお節料理は私が担当することになってしまいました。
紅白なますの大根の細切りに時間がかかること、栗きんとんはサツマイモの裏ごしがとても疲れるのですが、美味しくするために何度も裏ごしをすること。
伊達巻は魚のすり身が入っている卵焼きで、焼きあがるまでには結構時間がかかること、黒豆を煮るときは釘を使うこと...
年末大わらわでお節の準備をする私を横目に、当の料理本の購入者である母は、手伝わずに食べるだけ。
なんとも理不尽だなと思ったものでした。
ただ、こういった経験のおかげで、自称ですが料理上手の奥さんになれました。
これは『反面教師になってくれた母』に感謝するところかもしれません。
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