<この体験記を書いた人>
ペンネーム:茉莉花
性別:女性
年齢:51
プロフィール:アラフィフのシングルマザーです。3人の子どもがいます。
「熱中症」という言葉が世間に浸透してもう何年たつのでしょう?
中・高校生の頃、水分補給などさせてもらえないまま、炎天下で運動していてもなんともなかった私は、「自分は熱中症にはならない!」という謎の思い込みを持って生きてきました。
ところが、2022年の夏、アラフィフにして初めて熱中症を経験することになったのです。
その日は梅雨の中休み、蒸し暑い日でした。
私は都会にいる友人に会うため、新幹線を使って向かう予定でした。
最寄りの駅までは徒歩10分程度、久しぶりに友人に会えると私はワクワクしながら、お昼過ぎに家を出ました。
ところが数分歩いただけなのに、いつものリュックが重く感じ始めました。
汗もダラダラ出て止まりません...。
しんどいなあと思いつつ、駅で切符を買って、タイミングよく来た電車に乗った私。
車内は結構混んでいたのですが、幸いなことに座ることができました。
車内は冷房が効いていて快適です。
ああ良かったと思ったものの、不思議と座る姿勢が保てず、シートに斜めに身体を預ける感じになって、横になりたい気持ちが強く湧いてきました。
そうこうしているうちに、乗換駅に到着。
ふらふらしつつ新幹線へ乗り換えて、座席を確保したものの、やはり身体がだるいのです。
次に降りる駅まで40分はありました。
とりあえず友人にLINEで状況を報告をしたのですが、その間にも頭痛・吐き気・手のしびれや動悸など、どんどん具合が悪くなっていきました。
もしかしたら噂の熱中症になったのかも? とその時点で思ったのですが、いや、私に限ってそんなことはないとひたすら思い込み、水をちょびちょび飲んで治まるのを待っていました。
新幹線はターミナル駅に到着しました。
降りた瞬間から、もの凄い人波に巻き込まれました。
この後、在来線に乗り換えなければならず、馴染みのほぼない駅で不安もマックスになってしまいました。
次に乗るはずの電車のホームへの階段を下りたところで、精神的にも身体的にもギブアップ。
もう無理...歩けない、気持ち悪い、座れない...ついにホームの中央あたりで横になってしまいました。
こういうとき、羞恥心はどこかへ行ってしまうんですね...。
だらりと横たわる中年女性の様子に気付いた2人の女性の方がさっと近づいてきてくれました。
「どうしました? 大丈夫ですか? 駅員さんを呼びましょうか?」
そう声をかけて、一人は駅員を呼びに行き、もう一人は私に付き添って声をかけてくれました。
その見事な連携ぶりには頭が下がりました。
恐らく、2人とも乗るはずだった電車を見送って付き添ってくれたのでしょう。
それから5分ほどで、お礼がきちんと言えないまま、私は駆けつけた駅員さんに車椅子で救護室へと運ばれました。
「救急車を呼びましょうか?」と駅員から提案されましたが、私の意識は比較的はっきりしており、友人が迎えに来てくれることになったので、とりあえず涼しい救護室で横になって様子を見るということになりました。
救護室で横になって症状が落ち着いてきたと同時に、やってしまったという恥ずかしさがこみ上げてきましたが、もうどうしようもありません。
その後、イオン飲料片手に、友人が救護室まで駆け付けてくれました。
昔取った杵柄じゃないないですが、「自分だけは大丈夫」の思い込みはいけないと心底反省しました。
そして、人の優しさに改めて感謝するとともに、私もどこかで受けた恩を返していきたいなと思った出来事でした。
ちなみにこの日、新幹線の駅がある都市では、熱中症で何人も病院へ運ばれたということが新聞記事でも出ていたようです。
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