<この体験記を書いた人>
ペンネーム:yobo
性別:女性
年齢:47
プロフィール:体力の限界と戦う2児の母です。
2012年の話です。
私はまだ幼かった子どもの急な入院付き添いにより、24時間病院に缶詰め状態でした。
食事については問題なかったのですが、何日もその生活を続けていると服や髪は汚れてきます。
幸いなことに、病院から徒歩5分ほどのところに義実家がありました。
子どもの入院は2週間程度の予定で、入院期間の半分ほどが過ぎた頃、病棟の看護師さんが「お子さんを見ておくので、義実家でお風呂に入ってきたら」と言ってくれました。
特にお願いしたわけでもなかったのですが、私にとってはありがたい話でした。
早速、義実家に電話をすると、義父から「入りに来ていいよ」と返事。
看護師さんに子どもをお願いし、急いで義実家に向かいました。
しかし、その道の途中、歩いてきた義父と会いました。
どうして義父が来たんだろう? 迎えに来てくれたのかな? と思った私に「お風呂はだめだ」と言うのです。
せっかく看護師さんのご好意で外に出ることができたのに、急にお風呂がだめとはどういうことでしょう。
義父は「お風呂は水だ、入れない」を繰り返すばかり。
このような状況で、さすがにお風呂にゆっくり浸かろうとは思っていません。
「シャワーを浴びるだけでいいんです」
「何を言ってるんだ、水だぞ」
両手を広げて通せんぼして、私を突っぱねる義父。
結局、義実家のお風呂を借りることはできませんでした。
「さっきは入りに来ていいって言ったのになんで...」
降りしきる冷たい雨の中、傘を持つ気力もなくなり、その場で泣き崩れてしまいました。
もちろん、お風呂に入れなかったから涙が出たのではなく、張り詰めた日々の中での束の間の休息が叶わなかったこと、急に手のひらを返したような義父の冷たい対応など、さまざまなことが重なって悲しくなったのだと思います。
看護師さんの優しさを無駄にしてしまったような気がして、申し訳ない気持ちにもなりました。
義父は世代的にシャワーを使わないからあんなふうに言ったのかな?
もしかしたら、お風呂を沸かして、浴槽から桶を使って体を流すようなイメージなのかな?
そんなふうに自分を納得させながら、病院に戻りました。
数年後、義父に認知症の初期症状が現れました。
もしかしたら、あの義父の不可解な発言は、認知症発症の予兆だったのかもしれません。
当時の私は予兆に気づく余裕などありませんでしたが、この経験をきっかけに人の言動を注意深く見守るようになりました。
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