こんにちは山田あしゅらです。
義両親の在宅介護の様子を嫁の目線で綴った ブログ『13番さんのあな―介護家庭の日常―(現・13番さんのつぼ)』。
ここに書いてきた13年間の記録をもとに今の気持ちを織り交ぜつつ、改めて当時のことを振り返ってみようと思います。
【前回】要介護の義両親のもとへ親戚が集まるお正月。夫と義弟の「心の溝」は深く...
お正月休みもあっという間に終わり、日常が戻ってきました...と言いたいところですが、どっこい年中無休で事件が起こるのが介護家庭です。
それはよしおさん一家の来訪から2日後のことでした。
居間でくつろいでいる義父母に晩ご飯の支度が出来たと声を掛けました。
義父はまだ自分で立ち上がることが出来ていましたが、義母は自力ではなかなか立てません。
依存心の強い性格も相まって、誰かがそばにいるとすぐに救いの手を求めて来ます。
ところがこの日の義母はいつもと様子が違っていました。
満身の力を込め自分で立つ気マンマン。
手伝おうとしても「自分で立てるからいいっ!」と頑として聞きません。
しかししばらく格闘しても埒が明かないので
介護ベッドの手すりのそばまで椅子ごと義母を引っ張って行き、つかまらせるとやっと『自力で』立たせることが出来ました。
長年介護に携わっているとこういう対処も心得てくるもんです。
さて、食卓につくと、義母はいつも通り旺盛な食欲です。
きれいにご飯を平らげた後、就寝の準備に至るまでは何事もなかったのですが...。
次の異変が起きたのは義母をベッドに就かせた後でした。
私が台所の片づけをしていると
夫が困り顔で報告にやって来るではありませんか。
同じようなことは以前もあり、何だかイヤぁな予感がします。
それでもベッドのそばで気を落ち着かせること十数分。
お腹いっぱい食べたお陰で眠気を催したか、義母はいびきをかき始めました。
ヤレヤレ予感は杞憂かと思いきや...
今度は私たちも床に就き、グッスリ眠る夜中の3時ごろ。
闇をつんざく義母の絶叫にたたき起こされたのです。
普段は言葉数も少なくこちらの呼びかけにもぼそぼそと小さな声で返す義母なのに、こういう時は実にはっきりした言葉でいつもの10倍くらいの大きな声が出るのです。
慌ててベッドに駆け寄ると
明らかに目つきの違う義母が意味不明な話を大声で発し続けていました。
イヤな予感は見事に的中。久しぶりの『覚醒』出現となったようです。
以前と違うのは身体が自由に動かないこと。
動き回ることはないので安心と言えば安心ですが、かえって頭が冴えわたっているのでしょうか。
大声の発声はなかなか止みません。
義母のおしゃべり暴走はとどまることを知らず夜通し続くこととなりました。
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。