こんにちは山田あしゅらです。
義両親の在宅介護の様子を嫁の目線で綴った ブログ『13番さんのあな―介護家庭の日常―(現・13番さんのつぼ)』。
ここに書いてきた13年間の記録をもとに今の気持ちを織り交ぜつつ、改めて当時のことを振り返ってみようと思います。
【前回】いざ老人ホーム見学へ! 清潔感溢れる施設に好印象...だけど義父母はここに住める?/山田あしゅら
【最初から読む】義両親の様子がおかしい...介護生活がはじまった日/山田あしゅら
ある程度覚悟はしていましたが、初めての施設見学はいくつかの問題に直面する結果となりました。
そうでしょ、そうでしょ。
世の中思い通りにはいかないわ。
でも、足がかりぐらいは作っとかなきゃ。
こんな感じで現状打開の第一歩を踏み出した気になっていた私たちでありました。
それから数週間後の土曜日の朝のことです。
この日も義父母2人そろってデイサービスに出かけます。
お迎えの時間はどちらも(義父、義母別々のデイサービスです)大体9時ごろ。
義母は以前に比べ動きがずいぶん緩慢になり、徘徊の心配は少なくなった代わりに介助の手間が増えてきました。
義父が2階から下りてくると朝食が始まります。
既に準備を済ませ小休止していた義母も食卓に着かせました。
すると...「おやぁ...」。
どうやら『大』が出ちゃったみたい。
排便の感覚がほとんどない義母。
便秘体質なのでタイミングを計るのはとても難しく、その上、動きづらくなってからは
トイレへ手引き移動するのも一苦労です。
今朝は輪を掛けて歩みが前に進みませんでした。
実は前の晩、久々の『覚醒』があったのです。
『覚醒』といっても以前のように歩き回って外に出てしまう...なんてことはないのですがベッドに横になったまま、いきなり夜中の大絶叫が始まったのです。
私たちもびっくりして飛び起きました。
怖い夢でも見たのか、普段はあまり声を発さない義母なのに、別人が乗りうつったかのように明瞭かつ大声で叫び続けます。
なだめても止まることなく、絶叫はしばらく続きました。
認知症の症状なのでしょうか?何らかのきっかけで始まる『覚醒』も困りものですが
それは後々『疲れ』として残り、急激なトーンダウンとなって現れることがあります。
この時もおそらく義母の頭と体は電池切れ。
何とかトイレに誘導し、汚れたお尻をきれいにするまでは良かったのですが、戻ろうとしたところでとうとうタイムアウト。
ヘナヘナと腰砕けの恰好でその場にしゃがみこんでしまったのです。
経験してみると分かると思いますが、この状態で床に座り込んだ人を起こすことは至難の業です。
小柄な義母でも四苦八苦。
簡単に立たせることは出来ず
私1人だったらきっとパニックになっていたでしょう。
介護家庭の日常はこんなことを繰り返しながら、被介護者はどんどん低下の一途を辿っていきます。
今は慣れから何とかやれていてもいずれは限界を迎える時が来るかも知れません。
どうにもならない状況に陥る前に先の準備をしておくことは何より大切と今なら声を大にして言いたいところですが、正直、当時の私たちはまだそれほど危機感を抱いていなかったように思います。
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