「本当に幸せ。ありがとうね」の言葉に思わず泣いた...心を癒してくれる叔母夫婦の愛

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:gaspal
性別:女性
年齢:42
プロフィール:私42歳、夫53歳、小学5年息子の3人暮らし。兼業主婦です。

「本当に幸せ。ありがとうね」の言葉に思わず泣いた...心を癒してくれる叔母夫婦の愛 8.jpg

わが家はコロナ禍以前、毎年お盆は遠方の義実家に帰省していました。

その際、帰省先の最寄り空港に近い叔母(義母の妹、81歳)の家にもいつも数泊しています。

叔母さんは何事にも細かい義母とは正反対の性格。

大らかで口癖は「なんもなんも(大丈夫、ちっとも気にしなくていいのよ。という意味の方言)」です。

叔母さんは、88歳になる夫と二人暮らしで、子どもはおらず、私の夫を息子のようにかわいがってくれているそうです。

そして、夫と結婚した私のこともありがたいことに「娘ができた」と本当にかわいがってくれます。

義母はお盆に大人数が集まること、外食や中食でさえ大嫌いで用意さえしません。

そのため食事作りや後片付け、さらに広大な畑仕事と「次男の嫁」である私は非常に大変で、帰省時の私の居場所が「台所か畑」であることを、叔母さんは知っています。

「暑くて仕事や家事育児と毎日大変なのに、遠くから飛行機で姉(義実家)の所に帰省に来てくれて...。ここではゆっくりしてればいいから」

そう言ってとにかく私を休ませようとしてくれるのです。

私自身は、ある事情により実家と絶縁状態です。

また、子どもの頃から厳しく躾けられて「友だちの家に遊びに行くのは一切禁止」のルールで育ちました。

そのため、優しい叔母には帰省の際、泊めてもらうたびに癒されます。

叔母さんが住んでいる地域は海も山も近いため、新鮮で美味しい物を毎食のようにたくさんご馳走してくれます。

至れり尽くせりで申し訳ないほどです。

そんな優しい叔母さん夫婦ですが、年を取ってきたせいか、数年前に訪れたときに「終活」の話が出ました。

そのときに叔母さんが私に言ったのです。

「私は身体が生まれつき悪かったから子どもには恵まれなかったけれど、〇〇ちゃん(私)という娘ができて、その子どもの△△くん(私の小学生の息子)っていう孫まで恵まれるなんて。〇〇ちゃんのお陰で『一生無理だけど仕方がない』と諦めていたのに...娘ができて本当に幸せ。ありがとうね」

それを聞いた叔母の旦那さんも頷きました。

「そうだ。自分たちに娘ができて、普段も〇〇ちゃん(私)は仕事や子育ても忙しいのに、こっちの体調を気にして電話や手紙もくれる。毎年来て泊まってくれてうれしいけれど。帰るときは『娘が帰る』って本当に寂しいんだ」

私はびっくりして思わず泣いてしまいました。

義実家ではどうしても「次男の嫁」は下っ端扱いとされてしまい、いつも気疲れして憂鬱でした。

帰省も気が重くて仕方がなかったのです。

でも「娘だよ」と言い切った叔母夫婦には、私も以前から「この人たちが両親だったらな」と何度も思っていたのです。

叔母夫婦に「娘」として甘えさせてもらえて、幸せなのは私のほうです。

今後も長く付き合い、1日でも元気に長生きしてほしい。

遠く離れていても、叔母夫婦は私には欠かせない「心のオアシス」です。

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