亡くなった舅の部屋に山積みにされたアダルト雑誌。処分に困る遺品にため息しか出ない.../かづ

アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と2ニャンとで暮らしています。私の嫁時代の体験を思い出しながら書いています。

【前回】家族の中で舅と一番時間を共有したのは私なのに...。甦生処置の判断を夫一人に委ねられる悔しさよ/かづ

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亡くなった舅の部屋に山積みにされたアダルト雑誌。処分に困る遺品にため息しか出ない.../かづ pixta_28867663_S.jpg

舅が亡くなって、ホッとする間もなく施設の退所手続きと部屋の片づけに行った。

姑の時と同様に、衣服や下着等は施設に寄付することを言うととても喜んでもらえた。

それに加え一番喜ばれた物は、舅が普段使っていたカロリーカットの砂糖だった。

施設ではコーヒーや紅茶を好む利用者さんは多いものの、カロリーカットの砂糖を持参してくれる方は少ないらしく、またご家族に頼んでも持ってきてくれる人も少なく、預かっているお金から買おうにも「ご家族様からの許可が出ないから勝手に買えない」と聞いた。

必要なものだからという事で先に買っておいて後から請求すればいいのにと思ったが、施設の利用料を家族が負担している場合は、後になってから「そんなもの勝手に買って! 不要です!」と言われることもあるらしい。

その点我が家の場合は、必要とあれば請求して頂いても構わないし、本人が必要だと言うのであれば職員がなかなか買い辛い物は私が買って持って行ったので「とても協力的」と見られていた。

そりゃあ30万円のハーモニカ通信教育のセットなんかだとさすがの家族でも却下だが、1冊4~500円程度のアダルト雑誌程度ならOKだ。

舅の部屋には自宅にいた時と同様に、相変わらずアダルト雑誌から女性のヌードや下着姿を切り抜いたスクラップブックがたくさんあり、切り抜き済みに切り抜き途中に未読のアダルト雑誌が部屋の隅に山積みだった。

私が最後に持ってきた雑誌が袋に入ったままベッドの枕元に置かれてあり、特別付録のヌード写真が全面にプリントされたクリアファイルを見て、「あぁ、じぃちゃんこの付録楽しみにしてたのになぁ」と残念な気持ちになった。

さぞや心残りだっただろう。

山積みのアダルト雑誌とスクラップブックの数に、これを持って帰るのかぁと悩んだ。

なぜなら、重さの事ももちろんあるが、これだけの量を資源回収に出さなければならないことを考えると気が重かった。

一緒に暮らしていた頃なら、週にアダルト雑誌が4~5冊程度にスポーツ新聞数紙だったから、何とかバラして外から見てもわからないようにして資源ごみに出していたが、これだけの量をいったん自宅に持って帰ってどこに置いておく?というところから気が重かった。

このアダルト関係の雑誌に関しては、姑が元気なころからよく舅が怒鳴られていたのを思い出す。

「こんな本! いつも誰がゴミに出してると思ってんの!? こんなのこのまま出されへんやろ!!」

珍しく姑の言っていることはもっともだ。

うちにしてもこんな類の雑誌を数十冊も紐で括って資源ごみの所に出そうものなら、すぐさま近所のオバサマたちが「これどこの?」と詮索しだすに決まってる。

それも何度も集積所に運んでいるうちに、誰に見られるかもわからない。

「かづさんとこのよ、これ...」

「あぁ、あそこ年頃の息子さんいるもんねぇ」

想像するだけでも恐ろしい。

するとそこに職員さんが入ってきた。

あらかた片付いた室内を見渡して、私がその雑誌の山の前で思案しているのに気が付いたようだ。

「あ、雑誌はそのままでいいですよ」

「!!!」

「廃品回収に出したら収入になりますから♪」

「助かりますぅぅぅ!」

私は急いで大量にあるスクラップブックから切り抜きを引っ張り出し、紙袋にまとめた。

(結構お高いスクラップブックだったので、それだけは持って帰りたかった(笑))

手続きが終わって施設の事務所から出ると、そこにはお世話になった職員さんが大勢出て来てくれていた。

職員さんは口々に私の労をねぎらってくれて、そんなに近所でもないのに頻繁に面会に来る家族はいないと褒めてくれた。

「でも娘さんがこんなにしてくれて、○○さんもお幸せでしたよねぇ」

「ホント! よくできたお嬢さんだわぁ」

一部の職員さんは私の事を実の娘だと勘違いされていたようで、「いやいや、この人はお嫁さんよ」と他の職員さんから聞かされて驚いていた。

これは姑の時も同じことがあって、施設への面会にそれもお嫁さんが一人で頻繁に来るのは珍しいと言われた。

介護は嫁の仕事とばかりに舅姑の事は嫁に丸投げの話をよく聞くので、施設の面会に来るのも嫁が多いのかと思っていたが、友人にその事を話すと「お嫁さんなら用事が終わったらさっさと帰るんじゃない? 舅姑と長々と喋ったり、ましてやエロ本買って持って行くなんて、そんなの普通の嫁ならしないw」と笑われてある意味納得した。

なるほど。

四十九日も終わり、後は舅の遺産整理のみだけになった。

以前姑の認知症が発覚した際に夫が通帳等を調べたらスッカラカンだったこともあり、築〇十年のマンションくらいしか残ってない。

夫は自分が一人っ子なのでそんなに急ぐ事はないと高をくくっていたが、結果的には『舅の相続人は夫のみ』という証明が要るだのなんだのが後からわかり、夫は走り回って手続きをすることになった。

いわゆる、舅に隠し子がいないかどうかや借金の有無などを調べ、明らかに『相続人は夫のみ』とならない限り銀行はもちろんの事ながら、色んな名義変更や手続きが出来なかったのだ。

これがまだ、舅が生前に遺言書の様なものを残しておけばまた違っていたのかもしれない。

けれども舅は後は野となれ山となれの丸投げな性格だったし、本人もこんなに早く亡くなるとは思ってなかっただろうし、一人息子の夫がこれまたある意味他力本願なところが多い。

「とっととさっさと片付けてしまいたい」私と、自分の事にも関わらず他人事の様な「どうにかなるだろう(自分でどうにかする気はない)」夫との性格の差が出る。

そして言うまでもなく、親戚中に嫌われていた姑のおかげで、一人っ子の夫は親戚の誰にも助けてもらえず、嫁の私は「相続人」ではないので任せる事も出来ず、夫は一人で手続きをしなければならなくなったのだ。

ほれ見たことかの連続だったが、これくらい痛い目に遭うのも天罰だと思った。

むしろ、「これくらい」で済んでまだマシだろうと私は思っていた。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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かづ

​ブログ「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」の管理人で、Ameba公式トップブロガー。 基本専業主婦の50代。子育てが終り、夫と2ニャンと暮している結婚38年目です。 一人っ子の夫と結婚し、舅姑の理想の嫁でなかった私の結婚生活においての戦いを思い出しながら書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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