<この体験記を書いた人>
ペンネーム:gaspal
性別:女性
年齢:41
プロフィール:夫と小学生の息子と3人暮らし。私は実家と折り合いが悪く、夫の実家は遠方の田舎、共働き家庭です。
80歳の義母は、夫と義兄が家を出た後、15年以上一人暮らしをしています。
義母が住んでいるのは、我が家からは飛行機でないと行けないような遠方で、医者もおらず、町内にスーパーマーケットもない田舎です。
田舎のせいか近所付き合いは濃く、プライバシーは全くない状態でした。
お茶を飲んで延々と話しているだけにしか見えない「寄り合い」も、多いと週に数回あり、社交的で身軽な義母は出歩かない日がありませんでした。
元気いっぱいの義母ですが、心臓に持病があったため、2週間に一度を目処に「安否確認」を兼ねて電話をしていました。
いつも元気に受け答えする様子に、私も夫も安心していました。
ところが、2年前の2020年3月末、異変がありました。
「年賀状が遅くなってごめんね。あけましておめでとう、いつも電話ありがとうね、今年もよろしくね」
そんな電話と、その年の「干支」が描かれた年賀状が、我が家に3回も届いたのです。
私は以前、自分の親族の認知症介護を7年間ほど経験していたので、すぐにピンときました。
夫や、義母宅から車で1時間ほどのところに住んでいる義兄、そのほか親族の方たちに「お義母さん、認知症だと思います。病院で検査を受けさせてあげられませんか?」とお願いしました。
しかし、親族たちの返事は何とものんきなものでした。
「〇〇(義母)さんも80歳だし、年賀状を間違えて3回も送ってきたからって大げさだよ」
「コロナで雪国(義母の町は豪雪地帯)で引きこもりだから、季節も勘違いしてしまうよ、私もずっと冬と思うわよ」
困った私は夫に相談しました。
「兄なら話が通じると思うから連絡してみよう」
そう言われてすぐに連絡し、やっと義兄には義母の深刻さが伝わりました。
しかし、義兄が住む地域の自治体が緊急事態宣言で「往来禁止」となり、義母のところになかなか行けず...。
そこで義母と同じ町内に住む親族に、義母を病院に連れていってくれないか頼んだのですが、深刻さをまったく理解してくれません。
「この町は、みんなお互いの病気や持病、食べ物の好みも何でも分かっているし、心配しなくて大丈夫よ~」
のらりくらり動こうとしない親戚たちにイライラしつつ、往来禁止が解除された義兄がその年の秋に義母を病院に連れて行き、ようやく検査。
しかし...やはり遅すぎました。
義母は今日が何月何日かはもちろん、自分の居場所さえも分からなくなっていたのです!
医師が診断したところ、「5分前の出来事も覚えていない」とのこと。
ようやく義母の現状が判明しても、親戚たちは深刻さをまったく理解してくれません。
「仕方ないわよ~、大丈夫よ~」
私は「何が大丈夫なの!?」と怒りを通り越して呆れ果てました。
その後、義母の町のデイサービスは、どこも定員超えで空き待ち状態だったため、週に一回、隣町のデイサービスを手配しました。
もっと早く通院、検査をしていれば...。
持病や認知症の薬も5分後には忘れるため、ヘルパーさんに投薬管理なども頼んでいます。
「出しゃばりな妻」と思われても、強気に動くべきでした。
呑気すぎる親族たちに遠慮してしまったことを後悔しています。
そして、親族たちには今後一切頼るのはやめようと決心しました。
今、義母からは「今日は〇〇を盗まれた」といった類の電話がかかってきます。
「今年中には一人暮らしはできなくなるでしょう」と医師に言われたため、今後、義母をどうすべきか悩んでいます。
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