こんにちは山田あしゅらです。
『13番さんのあな―介護家庭の日常―』というブログで義両親の介護の様子を嫁の目線で綴り始めて10年が経ちました。
前回のエピソード:介護サービスを利用したい!介護認定調査の流れとは?
3世代完全同居の我が家。今風な2世帯住居などどこの国の話?という嫁の立場からすればかなり辛い作りでありましたが...。
その上、義父がまだ現役の頃、同居を契機に増改築した家でしたので自分たち夫婦がまさか年を取って要介護の状況に陥るなど思ってもみなかったのでしょう。
各部屋の入り口には高さ数センチの敷居があり、もちろん、風呂場もフラットではありません。
1階のトイレは何と段差有りの和式。
玄関に至っては上り框が30センチ以上ある2段式。
エントランスも幅が不規則な段差があり、これらをクリアしないと外出することが出来ません。
義父としては意匠を凝らした純和風、自慢の玄関だったようですが
スロープを掛けることも出来ない形状でしたので後に車いすになった時、大きな悩みの種となりました。
さて、一時の混乱は鳴りを潜め、多少精神的には落ち着いてきた義父でしたが、それでもまだ『通販熱』は冷めやらず目が離せない状況は続いておりました。
関連記事:次々届く高額商品のパンフレット。購買意欲を自制できない義父を止めるには
義母がデイサービスに行ってしまうと、家にひとりポツン。
義父もデイサービスなどに通うようになれば気もまぎれて『熱』も冷めるのではないか?と、思いました。
行ってくれれば目が離せない私だって助かります。
そこでケアマネおーさんに相談したところ
「では、リハビリ目的のケアセンターに通っては?」ということになり包括支援センターの職員さんにも同席してもらい、二人がかりで説得を試みてもらったのですが・・・。
義父の言い分は、
「まだ自分で動けるから大丈夫」(私が送迎するフォローがあってのことだけど)
「ばあさんがデイサービスに通っていても何ら改善はみられない」
(いやいや、すごく明るくなった。でも認知症は進行する病気。それが義父には理解できない。)
「自分はやることがたくさんある。そんなところへ行っているヒマはない」
(意味不明な通販購入が?)
...こんなところです。
今さら新しい環境に身を置くのが億劫で怖いのではないか?
話を聞いていて私はそう感じました。
その頃、義父も排泄の失敗が少しずつ増えていましたので、そんな辺りも関係していたようにも思います。
社会に出てバリバリ仕事をしていた義父もひとたび家に籠ってしまうとプライドや様々な負の感情が邪魔をして新しい1歩が踏み出せない。
もしかしたら男の人の方がそういった傾向が強いのかも知れません。
結局今回も『義父通所プロジェクト』は不発に終わってしまいましたが、支援センター職員さん、おーさん、義父、私の4者で話を進めるうち、思わぬことにエントランスの手すりの話になったのです。
介護保険を使って、被介護者が生活しやすい環境に家をリフォームする制度があります。
『住宅改修』といいます。
10年も前のことですし、地域ごとに異なりますので、制度の詳しい内容については割愛しますが、ざっと紹介すると
1.まずケアマネージャーを通して申請
2.次に住宅の状態を行政の職員が調査
3.申請が通れば、専門の業者に依頼し着工(住宅改修に慣れた業者の方が手続き等スムーズにいくようです。これもケアマネージャーに聞いてください。)
という流れです。
場合によっては施工完了後にも調査が入るようです。
義父は杖をつけば何とか散歩が出来ていましたが、病気の影響で足の運びが次第に悪くなりつつあるころでした。
石畳のエントランスは転倒すれば大けがにつながってしまいます。
義父自身もその辺は不安だったらしく
認知症の義母もしかり。
症状が進んでくると歩幅が狭まり、だんだんチョコチョコ歩きになってきて
デイサービスの送迎時にスタッフの手引きが必要になっていた頃でした。
まさにグッドタイミングとなった手すりの設置。
二人が出掛ける際には本当に重宝しました。
通所の件は、またもうやむやになってしまったのでした。
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