こんにちは山田あしゅらです。
『13番さんのあな―介護家庭の日常―』というブログで義両親の介護の様子を嫁の目線で綴り始めて10年が経ちました。
前回の記事:数分前のことすら忘れてしまう義母が見せた「昔取った杵柄」/山田あしゅら
これだけ世間を騒がしていても高齢者を狙った詐欺事件は後を絶ちません。
悪意をもって高齢者に近づく者は論外ですが、一緒に暮らす義父をみていると悪意とも言えないケースがたびたびありました。
高額でしかも特に必要とも思われない商品を通販で次々購入する義父のもとには
毎日のように同様な商品のパンフレットが大量に送られて来ました。
自分の意思で注文し、代金もきちんと支払うのですから、パンフレットを送付する業者としては大事な顧客。
商売ですもの、顧客の次の購買意欲を促すことは何ら法に触れるものでもありません。
気を引く文言が満載で豪華なパンフレットは、歯止めのきかなくなった義父にとって実に魅力的です。
目にはいるもの全てが『欲しいもの』になってしまい、一時は着払いの宅配品が複数届くことが日常的になっているほどでした。
そんな義父を目の当たりにし、手をこまねいてばかりではいられず、私たち家族もいろいろ策を練る毎日が続きました。
しかし以前も書きましたが、今は情報があふれている世の中です。
パンフレットを目にせずとも新聞、雑誌、テレビ等で部屋に居ながらにして『欲しいもの』がどんどん入って来るのです。
それはまるでいたちごっこ。私達がどれだけ陰で動いても限界がありました。
義父が自分のお金を自分で使うのですから好きにさせれば良いようなものですが、これから介護が本格化するであろう義父母二人。
今後のことを考えると、家族として意味の分からない浪費は是非とも避けてもらいたいのが正直な気持ちです。
その後紆余曲折あり、義父の異常な購買行動は収束を迎えました。
身体の自由が次第に利かなくなったことが一番の要因だと思われますが、私たち家族の様々な働きかけも無関係ではなく、歯止めに一役買うことが出来たのではないかと今では思っています。
それにしても元来は堅実で真面目一本な性格だった義父。
プライドの高さと融通が利かない面がこういった行動を呼び込んだと言えるかも知れません。
しかし、ブログ読者の皆さんからも「うちの親も同じです」というコメントを結構いただきますし、私の周りでも同様な高齢の方の話はよく耳にしますので、どうやら義父に限った話ではないように思われます。
物があふれ、ますます便利になっている世の中です。
人生が長くなればこんな落とし穴もあることを、これから老いに向かう私たちはより一層肝に銘じておかなければならないのかも知れません。
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