アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と3ニャンとで暮らしています。今から20年以上前、私の嫁時代の体験を思い出しながら書いています。
【前回】ああ情けない...亡き母の部屋を土足で踏み荒らし、遺品を漁る弟/かづ
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母が亡くなってしばらく経った頃、上弟は会社を辞めて無職になった。
その後は下弟に借金を繰り返しながら生活を続けていたが、やっとのこと就職が出来た。
一時は父の遺産で借金を返済したが、借金が無くなったせいなのか再び金を借りては散財する生活になり、下弟からの借金が100万円をとうに越えた。
そのクセ金を借りている下弟に対しての態度が「金貸してくれや!」と言う上からの態度で、それにも関わらず相変わらず子どもと嫁母だけを残して夫婦2人でパチンコに行き、その帰りに居酒屋で飲んで帰る状況だった上弟夫婦。
食う物が無いと言っては下弟に金を借り、姪が可哀想だからと下弟は金を貸す。
けれども、金を借りては遊びに行く上弟夫婦だったので、下弟はいい加減ケジメを付ける意味で弁護士を立て、上弟に債務整理をさせる事にした。
もう口約束では埒が明かないので、法的手段を使う事にしたのだった。
上弟は下弟に借りた金だけでなくサラ金などにも借金があり、その全てを整理するように下弟が上弟に迫った。
とりあえず就職先を決めて来て月額いくらかの支払いをするという事でサラ金の借金を整理し、下弟からの借金は期日を決めて返済する事になった。
期日までに返済が無かった場合は、全ての物を差し押さえて強制執行するという決め事を作ったそうだ。
上弟夫婦は観念したのか、その後夫婦で共稼ぎをして返済を続け、その間子どもは嫁母が見ていた。
下弟への返済がされたと聞いた数日後、嫁母から「お姉ちゃん! 助けてください!!」と電話が掛かって来たのだ。
「お姉ちゃん... 私...もう3日もご飯食べさせて貰ってないんです...」
「はあ?? なんで???」
話によると、上弟が夫婦で働いているにも関わらず、一人働いていない嫁母に働き口を探せと迫り、毎日帰宅してからどこをどう探したのかを報告させていると言う。
しかし嫁母は60を過ぎていたのでそんじょそこらで見つかる訳も無く、職を探せない事への反省文を毎日書かせていたらしい。
次第に上弟は嫁にも母親の管理をするように言い、自分は働いているのに毎日家でブラブラとしている嫁母が気に入らなく、ましてや働きもしないのに飯を食うのも気に入らず、働き口が見つかるまで飯抜きになったと言う。
金は一銭も持たせず、冷蔵庫は空にした上に、炊飯器に残ったご飯は弁当箱に詰めて嫁が持って出ると言う念の入りようだった。
嫁と言っても嫁母にしてみたら実の娘だが、上弟が帰る少し前に帰って来る嫁は 「今日も母ちゃん職が無かったんかい? また旦那に怒られるやろ! 真剣に探してる?」と言うばかりで全く庇ってくれず、「母ちゃんが仕事を探せば済むんや!」と、上弟と一緒になって責めていたらしい。
私は驚きすぎて一瞬絶句した。
下弟からもう借りる事が出来ず、債務整理したのでサラ金からも借りられなくなったからと言って、そこまでやる? それも嫁からしたら実の母親なのに!
私は家にあった残り物で弁当を作り、嫁母の所に行った。
私の作った弁当を美味しい美味しいと言ってむさぼるように食べる嫁母を見て、哀れで仕方がなかった。
元はと言えば、娘と2人して上弟の事を「働かずに食わせてくれる相手」として田舎から出て来たのが甘かったと言えばそうだが、この歳になって職が探せなければ見つかるまで毎日反省文を書けと娘夫婦に責められる、挙句に飯抜きになるとは思ってもいなかっただろう。
私は嫁母が弁当を食べ終わるのを待った。
食べ終わった嫁母は、泣きながら何度もお礼を言ったが、私は印鑑を持って来るように言い、嫁母を車に乗せて居住地の区役所に向かった。
たとえ上弟夫婦の帰るのを待って私が説教した所で、私が帰ってしまえば当然嫁母は今夜も飯抜きに違いないし、第一どんな目に遭わされるか分からない。
もうこのままここに置いておくわけにはいかないと思った。
嫁母を連れて区役所の福祉課に行き、コレコレシカジカと説明すると担当の方に嫁母だけ個室に通された。
詳しい事を嫁母本人にじかに聞きたいと言う事だった。
嫁母本人から状況を聞いた後、既に3日も絶食が続いている事を私が説明した。
実の娘からも責められることに嫁母は疲れ切っているのが目に見えて分かった。
福祉の担当さんは「虐待ですね。すぐ何とかしないと。そのうち手が出ますよ」とハッキリ言った。
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