アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と3ニャンとで暮らしています。今から20年以上前、私の嫁時代の体験を思い出しながら書いています。
【前回】幼稚園の入園準備資金がない! 弟嫁に泣きつかれて駆けつけると...はぁ!?/かづ
【最初から読む】アッシー・メッシー・貢君だった彼が突然父に結婚の挨拶! 夫との馴れ初め/かづ
入園から3カ月後、再び上弟嫁から連絡が来て、またもや借金の申し入れだった。
なんと、入園金を支払い準備もなんとかぎりぎりで整って入園はしたが、その後一度も月謝を支払う事が出来なくて、ついに月末にそれを入金しなければ退園をして貰うと言われたと言う。
「えっ? でも入園後に色々行事があったやろ? いちご狩りとか遠足なんかがあったんちゃうの?」
驚く事にそれら全ての(月謝とは別払いの)行事は、姪を欠席させていたのだ。
入園式の時に園が撮影した集合写真すらも購入していなかった。
なんでそんな可哀想な事が出来るのか。
私には娘がいないので余計に可愛い姪の顔が頭に浮かび、自分の事の様に辛かった。
恐らくいちご狩りなどの行事ごとに、園児同士でも楽しみにする会話があっただろうし、「明日はいちご狩りです」と言う話しも先生から聞いただろう。
それを病気でもないのに休まされ、その翌日登園した時の姪の気持ちを考えると不憫で仕方が無かった。
上弟嫁は如何に旦那の無駄遣いが多いのかを私に訴えた。
相変わらず酒やたばこに加え、なんせ夫婦2人で週に何度も飲み屋に行く。
嫁母が「この前お姉ちゃんに言われたのに...、でもこの子が一緒に行かないと旦那さんが怒るんで...」と助け舟を出すような事を言ったが、稼いだ以上に使う旦那はこの世に弟だけじゃない。
うちの夫も内容は違えど稼ぎ以上に使う人だったので、嫁やその母親を見ても同情はわかない。
私から金を借りて娘を入園させる事が出来た3カ月前と比べ、相変わらず嫁は週に数日の数時間程度しか働かずだった。
トイレを借りた際にふと台所に目が行き、そこにはハンバーガー屋の朝セットの箱や袋がいくつか並んでいて、ゴミ箱にはドーナツ屋の箱が丸めて入っているのが見えた。
「あれどうしたん?」と聞くと、上弟嫁が「娘が食べたいと言ったんで...」とバツが悪そうに言う。
意地が悪いのは承知の上で、冷蔵庫を開けるとそこには案の定お惣菜と冷凍食品がいっぱいだった。
「料理ってせぇへんの?」と聞くと、今度は嫁母が「私もこの子も料理が苦手で...」と言う。
そりゃあ弟が外で飯を食いたいと思うのも無理はない。
旦那がアホな上に嫁もアホやし、それを育てた母親もアホやったとしか思えない。
誰一人現在の問題を改善するべく努力をしていない上に、それぞれが誰かしらのせいにしている事に怒りがわいた。
重々弟が一番悪い事を踏まえた上だが、この嫁もその母親も努力をしていない事に驚いた。
私は今まで何度も離婚をすすめてきた。
別に弟を庇う気なんぞさらさらなく、「あれはバカなんだから!」と、「見限れ!」とも言って来た。
母娘で働き、それなりに慎ましく子どもと3人で暮らしている方が今よりかは何倍も心穏やかになるはずだとも話して来た。
でも別れを選ばないのならば、文句を言っていても、誰かのせいにしていても始まらない。
離婚しないと決めたのであれば、借金を重ねる様な他力本願ではなく、改善する努力をし続けるべきだと私は思っている。
子どもがいたならば余計に。
私は上弟嫁に3カ月分の月謝と当分の間の月謝や行事参加分として、20万円を封筒に入れて渡した。
「この金、他に使ってしもて幼稚園に支払わんかったら最後やからね」
私の顔は怒りに満ちていたと思う。
すると上弟嫁が立ち上がり、タンスの引き出しを開けてゴソゴソとしていたかと思うと、「これ持っといてください」と言って私の前に出して来たのは、真ん中にダイヤが入った18金の印台の指輪だった。
私はそれを見て驚いた。
父が生前「これはわしが亡くなったらかづに」と言っていた指輪だった。
一瞬にして、父が亡くなった後に下弟の留守を狙って上弟が金目の物を家探しして持って帰ったんだと思った。
なぜなら、下弟からは父の形見分けを数点貰ったからだ。
「その指輪...、お父さんが元気な頃に『これはわしが亡くなったらかづに』って言うてた指輪やんね。あんたその時その場におったやんね。なんでそれがここにあんの?」
上弟嫁は私と父との会話を思い出したかのようにハッとした。
「あの...、旦那さんが持って帰ってきて...」
「って事は、この指輪を私が持って帰ったらマズいんやないの?」
上弟嫁は私にそう言われ、血の気が引いたような顔色になって行く。
なんでこう考えが浅いのか。
「もう! あんたって子は!」
嫁母が上弟嫁の腕を横からパシッと叩いた。
「自分の父親の形見を借金のカタに持って帰るなんて事は出来んから!」
そう言うと上弟嫁はホッとした顔になった。
ふと姪が生まれた際にベビーカーを貸してくれと言うので貸した事を思い出した。
姑からデパートのベビー用品売り場のカタログの中で一番高いベビーカーだったと言われたもので、当時は手入れがされているか姑のチェックがうるさかったので、綺麗なものだった。
かと言って、人に貸したのであれば多少汚れたとしてもかまわないと思わなければならない部分もあったので、返して貰ったあとメンテナンスをすればいいかと思っていた。
マタニティー服も数着貸してくれと言うので一緒に貸した。
当時は今のように個人売買できるサイトも無かった時代だ。
「あ、そうだ。貸したベビーカーはどうした? もう使わないでしょ? ついでにマタニティーも一緒に持って帰るわ」
すると上弟嫁は驚いたような表情になった。
「えっ!? あれ捨てました! 使わなくなったら邪魔になったんで...」
「はぁぁぁ!? 使わなくなったら普通は返すでしょ!? あげるって言った?」
上弟嫁は、家に置いておくといくら折りたたんだとしてもベビーカーは大きく邪魔になったんで捨てたと言う。
当然マタニティー服も。
もう私が子どもを生む事も無いので必要無いと思ったらしく、返却するなど考えもつかなかった様子だった。
上弟嫁の後ろで嫁母が顔を歪めていたのが見えた。
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