<この体験記を書いた人>
ペンネーム:わんわん
性別:女
年齢:51
プロフィール:51歳会社勤めの主婦。56歳会社員の夫、22歳大学生の息子と3人で首都圏在住。
私の母(現在83歳)は、親戚や知人から何かをいただいたらすぐに返礼します。
宅急便などで贈答品が届くと、即電話で到着を知らせて謝意を伝え、3日以内には贈られてきた品に相応する贈答品を返礼として贈ります。
果物やお菓子が届くことが多いのですが、食べる前に電話でお礼を伝え、返礼品には手紙を添えません(手紙は苦手とのこと)。
ご近所の方から何かおすそ分けをいただいたときも同様です。
母は人に頼るのが苦手で「借り」を作った状態を負担に思う性格です。
長女の私(現在51歳)も同じように即返礼するよう、長年厳しく指導されてきました。
いただいたものを楽しむ前に返礼品を贈られた相手はあまりいい気持ちはしないのではないか...と思いつつも、私も30歳を過ぎる頃までは、母の贈答ルールを守っていました。
18年ほど前(当時私は33歳)、私の息子が成長して使わなくなったA型ベビーカーを遠方に住む友人(当時30歳くらい、1人目のお子さんが生まれて2カ月ほどたった時期)に譲ったことがありました。
その友人とは年賀状のやりとりは続いていたけれど、お互い子育てに忙しく、居住地も遠いので会う機会もほとんどなかったのですが、それでも友人としての関係を続けたいと思える相手です。
ベビーカーも私の長男出産時に奮発して購入した国内有名メーカーのものだったので、私が譲りたいと思える人に使って欲しいという勝手な自己満足もありました。
その友人にメールで打診し、「使った後は遠慮なく自由に処分してね、私が頼んで使ってもらうのだからお気遣いは無用」と伝えて宅急便で送りました。
友人にとってはもしかするとありがた迷惑だったかもしれませんが、気持ちよく受け取ってくれたようです。
宅急便が届いた後、到着とお礼の言葉がメールで届き(私の申し出の段階からメールでやりとりしていたので)、数カ月後の元旦に届いた年賀状には、改めてお礼の言葉が添えられていました。
このような経緯で譲った中古品なので、お礼の品が贈られてくることは全く期待も予想もしていませんでした。
ベビーカーのこともすっかり忘れていた次の年、その友人から宅急便が届いたのです。
私がお菓子好きなことを覚えていてくれたんだ、と素直に喜びました。
「近所に新しく洋菓子店ができて、そこのお菓子がとてもおいしかったから」という言葉とともに、お子さんの成長、ベビーカーで散歩する機会が増えた等、活用してくれていることが書かれていました。
譲ったことも忘れかけていた頃に、改めてお菓子とともに感謝の気持ちがこもった手紙が届き、私は二度うれしい気持ちを感じることができました。
そして、友人の心配りや返礼のスマートさに感銘を受けました。
この経験から、私は「相手によって」は母直伝の即返礼は止め、ベビーカーの友人スタイルをとることにしました。
「相手によって」というのは、母と同世代の親戚たちに対しては、長年続けてきた即返礼をしないと母にばれて叱られるからです。
親戚以外の相手に対しては、ベビーカーの友人と同じスタイル(新方式)で返礼することにしました。
新方式にチャレンジしてみると、母直伝の返礼方式は、贈答が一気に片付いて貸し借りなしになるので「借り」を作りたくないような相手への返礼作業としては楽です。
一方、新方式は、手間暇がかかる分、相手への気持ちが強くないとできないことがよく分かりました。
新方式をとるようになった今、買い物、旅先、美容室などで名産品を見たり、雑誌を読んだりしているとき、「何か喜んでくれるものないかな?」とつい探してしまいます。
「これをあの人に贈りたいな」などと折りに触れて相手のことを思い出し、品を考えるのも楽しい時間です。
ベビーカーの友人のようにスマートに温かく返礼ができているかはまだ自信はありませんが、合う相手にはこの方法を続けていこうと思っています。
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