<この体験記を書いた人>
ペンネーム:けんけん
性別:女
年齢:50
プロフィール:実母(79歳)息子(12歳)の三人で、ちょっと田舎に暮らしています。
45年ぐらい前の話ですが、私が子どもの頃、年末から年始にかけて父の実家のある九州に帰っていました。
大阪府から実家まで高速道路で、片道10時間ほどかかる長旅でした。
私は幼かったのであまり覚えていませんが、両親によるとその途中で不可思議な体験をしたそうです。
実家からの帰り、父が山口から広島辺りで「海側で泊まって、美味しい魚を食べるか?」と言いました。
海鮮が好きな母のためにそう言ったのですが、なぜか母は「いや、山の方にジャングル温泉があるから、そっちに行きたい」と言い出しました。
ジャングル温泉の看板なんて全くないし、今のようにカーナビなんてない時代、その周辺の地理も分からないし地図も持っていない...。
それなのに「こっちへ」と道順を言いだすので、山道をどんどん登って行き「本当にあるの?」というぐらいになって、やっと看板が見えてたどり着いたそうです。
普通なら遠慮するような外見におののきながら一泊できるか頼むと、ほかに一組男性客があるだけだと宿の方が言われ、宿泊することになりました。
部屋に通された後、母が先にお風呂を入ろうと父に言ったそうですが「荷物を片づけて行くから先に入れよ」と言われ、母は私を連れて長い長い廊下を歩き、風呂へ向かいました。
廊下の横の大広間は電気も点いておらず、少し開いている襖から見える奥の舞台の上に、広間に向かって背を丸めた人が座っている影が浮き上がって見えたそうです。
寒気を感じながらも母は自分が怖がると幼い私まで怖がると思い、何も見なかったと自分に言い聞かせながら大浴場まで行きました。
大浴場に到着すると、男性用の入り口にスリッパが2つ揃えて置いてあり、浴室で誰かが湯船に浸かっている音、何を話しているか分からないけれど話し声が聞こえてきました。
それを聞いた母は、もう一組の泊まり客が入っていると思い安心したそうです。
人がいることに安心して女性用お風呂に入ると、広々とした浴室は冷え冷えとしていました。
しかし、近くに誰かがいる安心感から二人で温泉に入ったそうです。
私と母が入浴していたら、父と兄が男風呂に到着したようで、楽しそうな話し声が聞こえてきました。
父は母に「おい寒いやろ、こっちへ入れへんか?」と声を掛けてきました。
母が「何言うてるの、他にお客さんいてるやろ」と答えると「誰もいてないで」と父が言うので、ゾッとした母。
慌てて私を連れてお風呂を出て、部屋に帰ったそうです。
あの入浴中の音はなんだったのか、大広間の舞台の上で見た人影はなんだったのか、母はなぜ行ったことのないジャングル温泉に行きたいと思ったのか...母自身も分からないそうです。
何かに憑かれて導かれたのか...不思議な体験でした。
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