<この体験記を書いた人>
ペンネーム:せみ
性別:女
年齢:44
プロフィール:同い年の夫と中学2年生の娘の3人で暮らすパート主婦。
先日、中学2年生の娘がキャラクターの育成ゲームが欲しいと言ったので、購入しました。
とあるアプリゲームのコラボ商品であるというそれは、卵のような形の本体に、ボールチェーンの付属した、キーホルダータイプのゲーム機でした。
卵型の本体の正面には小さな液晶画面があり、そこに表示されるキャラクターにゲーム上でご飯をあげたり、遊んであげたりして育てるのです。
それを見た44歳の私は懐かしさを覚えました。
そうです、もう20年以上前に大流行した、あのゲームの後継機の一種なのです。
そのゲームを手に入れるために、電話帳を見ておもちゃ屋さんに在庫確認の電話をかけまくったことなどを思い出しました。
育てたキャラクターが怪獣に育ったり、オジサンのような姿に育ったりして、どうしてもお目当ての可愛いキャラクターに育たなかったことも、今となっては懐かしい思い出です。
現在でも、あのゲームの後継機種が出ているということ、そしてそれを娘が遊んでいるということに何だか感動を覚えてしまいました。
早速、そのゲーム機でキャラクターを育て始めた娘はとても楽しそうです。
しかし、私はその様子を見て、ある問題に思い至りました。
私の古い記憶が正しければ、確かこのゲーム機はキャラクターを放置しすぎると、キャラクターの成長に悪影響があったり、最悪死んでしまうケースもあったはずということです。
しかし、今のゲーム機には説明書らしいものがほぼなく、放置した際のキャラクターの行く末も、適正なご飯や遊びの量も明記されていません。
発売間もないゆえに、攻略サイトにもまだ詳細は載っていません。
すべては実際にゲームをプレイして体で覚えるしかないのです。
そこで、娘は私にある提案をしてきました。
娘が学校に行っている間、ゲームのお世話をしてくれたら、お母さん(私)の白髪を1日につき10本抜くというのです。
私はその提案を受け、娘が学校に行っている間、せっせとキャラクターのお世話をすることになりました。
過去の育成ゲームでは、キャラクターを放置気味だったために、キャラクターの育成が思うようにいかなかったのではないのかという反省を前提にした私。
娘のゲーム機では、マメに世話をしようと心に決めたのです。
ご飯とおやつと遊びをたっぷり上限まであげた方が良いのではないかと考え、キャラクターがもういらないと怒った表情をするまでご飯を与えました。
そして食べたがるままにおやつをあげ続け、1時間1回を目安に遊びに付き合いました。
結局、キャラは娘の好みのキャラになりましたが、毎日、あげたおやつやご飯の量を娘に報告したのですが...。
「おやつあげすぎだよ! 絶対良くない!」
「キャラが怒るほど、ご飯をあげるなんておかしいでしょ!」
などなど、報告の度に叱られてしまいました。
そのときふと、将来孫の面倒を見ていたら、こんな会話をするのかなと考えました。
思わぬところで、未来の孫育てをシミュレーションしたり、老後、「お世話される側」になったときの疑似体験を受けたりしているような感覚に陥り、なんとも微妙な気分になったのでした。
ちなみに、ゲームのお世話のお返しとして約束した白髪抜きは、こちらから催促しない限り、全く実施してくれず、週末にまとめて70本を非常に嫌そうに抜いてくれます。
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