<この体験記を書いた人>
ペンネーム:はおり
性別:女
年齢:58
プロフィール:専業主婦。20代2人と18歳の子どもたちは皆独立。趣味は断捨離と猫と遊ぶこと。
今から二十数年前の頃の話です。
私は当時37歳。
27歳のとき結婚して、子どもが2人いました。
上の子が9歳、下の子が6歳になり子育ても少しラクになったので、パートで働きに出ました。
その会社は、家の近所にあり、小さな流通会社でした。
週5日で時間は9時30分から5時までで、仕事内容は経理事務で担当は私一人。
夕食の準備をするのも都合が良く、気に入っていました。
ただ一つ不満だったのは、代理で秘書の仕事をときどきさせられていたことでした。
小さい会社だったので、社長室というものはなく、パーテーションで区切られている場所に社長の席はあります。
社長秘書の人は、専門学校を出たばかりの22歳の女性で、秘書検定2級を持っていました。
その女性は電話応対もテキパキとして優秀だったのですが、書類を取引会社に届けに行くため、不在になることがありました。
そして社長秘書が不在のときには、社長の隣の席にいる私が取引会社の人のお茶を出したり、電話応対もしていたのです。
私は、それが嫌でした。
仕事が増えてイヤというより、秘書の仕事をしたことがないので、間違った対応をしてしまうのではないかと心配だったからです。
「いつも、お茶を出したり、電話出てもらったり、すみません」
あるとき、社長秘書の女性からそう言われました。
「それは全然良いのだけど、私は秘書検定など持ってないし、何か粗相があるんじゃないかと思って、いつもヒヤヒヤしてるんですよ」
私はそう答え、いろいろ話をしている内に、お茶の出し方や、電話応対などのやり方を教えてもらうことになりました。
まず、お茶の出し方です。
私は急須にお茶の葉、お湯を入れ、そのまま湯呑にお茶を注いでいました。
これは間違いでした。
まず人数分の湯呑にお湯を入れ、湯呑を温めてから、お茶葉が入った急須に湯呑のお湯を入れていきます。
こうすれば、人数分のお茶ができて無駄がないし、ちょうど良い色になるとのことでした。
そして電話応対について。
社長が不在のときなどは、私は必ずメモに相手先の社名と名前を確認してました。
これでも間違いではないのでしたが、二度確認した方が確実だということでした。
このようにいろいろと教えてもらっていくうちに、これも良い社会勉強だと思い始めた私。
それからは、代理で秘書の仕事をするときも、自信を持ってすることができました。
それから数カ月して、私は3人目の子どもを妊娠して、退職しました。
あのときの経験は、今でも役に立っています。
特にお客様が来たときのお茶の出し方などを褒められることが多いです。
小さな事かもしれないけれど、身につけていて良かったと思っています。
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