<この体験記を書いた人>
ペンネーム:myb
性別:女性
年齢:46
プロフィール:15年間の結婚生活に終止符を打ち、歩み始めたばかりのシングルマザーです。
2019年、当時44歳の私は、自治体の再就職セミナーに行きました。
そのセミナーには、「介護職員初任者研修」の資格を取得できるコースと、「それ以外の再就職を目指す」ためのコースが用意されていました。
セミナーを開催していたのは、自治体から委託された民間の派遣会社です。
私は、介護職員初任者研修の資格取得を目指すコースを希望しました。
ところが、セミナーの担当者であるAさん(40歳くらいの男性)から、それ以外の再就職を目指すコースのほうを強く勧められたのです。
コースの内容は、マナーや話し方、簡単なパソコン実習、履歴書や職務経歴書の書き方、面接の練習などでした。
もちろん、そのコースを受講しても何の資格も取得できません。
すでにパートタイム事務の経験のあった私には、今さら学ぶほどの魅力のある内容ではありませんでした。
しかし、Aさんいわく、「あなたの条件にピッタリの仕事があるんですよ」とのこと。
費用のかかるものでもなかったため、受講をしました。
そして、受講終了後。
Aさんから「ピッタリの仕事」の案内が来ましたが、そのとき、イヤな予感がしました。
お話を聞くほどに、過去に面接を受けたことのある会社に似ていたからです。
私はAさんに「その会社、面接に行ったことがあるかもしれません。会社名を教えてもらえますか?」とお願いしました。
しかし、それ以上の詳細は教えてもらえないまま、面接当日を迎えました。
面接当日は、Aさんの上司にあたるBさん(50代後半男性)と待ち合わせをしました。
私はBさんに対しても今から行く会社名を尋ねましたが、教えてもらうことはできませんでした。
Bさんいわく紙ベースでの情報も「お見せできない」とのこと。
そして、Bさんとともに向かった先は、まさに面接を受けたことのある会社でした。
「ここ、やっぱり面接を受けたことのある会社です。人事の方に余計な時間を取らせたくないので、帰りたいです。今からお電話で事情を話していただけませんか?」
そうBさんにお願いしましたが、Bさんは動じません。
「一度受けたことのある会社でも、半年以上たったら再度受けていいんですよ」
しかし私は、恥を忍んでまで再チャレンジしたいとは思えませんでした。
面接のときに感じたあまりにも真面目過ぎるその社風に、「実際に働いたら疲れそうだな...」と感じていた部分もあります。
帰りたいと言う私に対してBさんはさらに言ってきました。
「人事の人も変わっているかもしれないですし、相手は忘れてるかもしれません。このまま行きましょう」
「そんな騙すようなこといやです」
「約束の時間なのでお願いします。後で断ってもいいので、面接中はどうか話を合わせてください」
Bさんにそう促され、仕方なく面接が行われる部屋に向かいました。
Bさんの言う通り、人事は別の方に変わっていましたが、さすがに話を合わせ続けることはできず、私は本当のことを話しました。
後に、この事実を委託元である自治体の方に話すと、「ありえない!」と驚いていました。
会社を紹介する際には、社名を教えるのは当然ながら、求人情報の書かれた紙を渡して説明するように指示してあったそうです。
「しっかり注意しておきます」と約束していただけたものの、私の条件にピッタリの仕事はそもそも1件だけだったそう...。
「ネットなどで、気になる求人を見つけたら教えてください。面接の設定をしますので」
後にAさんからそんな連絡がありましたが、ネットで見かけた求人なら自分で応募したほうが早そうだと思い、以後は連絡を取っていません。
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