<この体験記を書いた人>
ペンネーム:れもん
性別:女
年齢:46
プロフィール:二人の息子を持つシングルマザーです。近頃は花粉症に悩まされています。
私は46歳のシングルマザーです。
19歳と14歳の息子、78歳の実父、72歳の実母の5人で暮らしています。
自分でも嫌なのですが、私はどんなに良い人でも「何か裏があるのでは?」と考えてしまう、他人をなかなか信じられないタイプの人間になります。
私がそうなったのは、今から13年前、まだ元旦那と結婚生活を送ってい頃のある事件がきっかけです。
子どもを保育園に預け、訪問介護の仕事に就いていたのですが、そこでは1人で何軒かの家を担当するため、みんなそれぞれのスケジュールで行動していました。
空き時間にはちょっと自宅に戻って布団を取り込んだり、スーパーで買い物を済ませたり、時間に融通が利いたのです。
事務所に用事がない限りは行く必要もないので、普段はなかなか同僚に会う機会はありません。
でも、昼食を挟んで事務所近くに訪問宅がスケジューリングされているときには、ほとんどの人が事務所で休憩をとっていました。
私がそこで働き始めて半年程経った頃、事件が起こりました。
その頃、事務所に立ち寄るたび、同僚たちがザワザワヒソヒソ。
その日たまたま居合わせた仲の良い同僚に聞くと、近頃たて続けに事務所のお金がなくなっているというのです。
でも職場の雰囲気は良く、職員たちもみんな優しく常識のある人ばかり。
犯人と疑われるような人はいませんでした。
同僚たちも私と同じように感じていたらしく、泥棒が入ったのではないかと話していました。
それからさらに数カ月たった頃、上層部から急遽ミーティングの連絡が入り、翌日には全職員が事務所に集まることになりました。
なんと、その犯人が見つかったというのです!
そしてミーティングでは、驚愕の事実が明かされました。
事務所のお金を盗っていたのは、以前から事務所の管理を任されていた人望の厚い職員のAさんでした。
その人は普段からとても明るくユーモアのある性格で、みんなの人気者でした。
とても信頼されていたので、椅子から転げ落ちるくらい驚きました。
なぜ犯人が判明したかというと、警察の方からこんなお話があったようです。
Aさんは前々からスーパーで万引きを繰り返していて、度々警察沙汰になっていたとのことでした。
そして万引きで捕まった際、事務所のお金が何者かに盗まれていたことが警察に届けられていたため、もしやと警察の方が尋問したところ、芋づる式に発覚したようです。
その事件以来、私は人を見る目に全く自信が持てません。
私が信頼していたAさんが万引きの常習犯だったということは、事務所での窃盗も、たまたま魔が差しての犯行というわけではないからです。
トラブルが起きるのを防ぐために、人を信用しすぎない。
ちょっと悲しい気もしますが、そういう考えも必要だと日々感じています。
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