<この体験記を書いた人>
ペンネーム:濃姫
性別:女
年齢:44
プロフィール:結婚19年目の主婦。家族は夫、子ども2人。夫の実家で義父母と半同居生活をしている。
大学の志望校に悩む高校3年生の娘(17歳)を見ていて、自分の高校受験のことを思い出しました。
当時中学3年生(15歳)だった私は、高校受験を控えているにもかかわらず、毎日ダラダラと遊んでばかりいました。
2学期の半ばに志望校を決めなければいけなかったのですが、特に行きたい高校も見つからず、仕方がないので父親が私に薦めていた高校の名前を書いて提出しました。
「〇〇さん(私の名前)の志望している高校だと、多分受からないと思うので、この高校にしたらどうでしょうか? この学校なら推薦してあげられますよ」
冬休みに入る前、家庭訪問で担任(当時40歳後半)からそう言われました。
私はそのとき、先生が推薦してくれるのなら受験もなくて楽だから、推薦してもらおうかなと思っていました。
しかし、担任の次の言葉を聞いて怒りが爆発したのです。
「〇〇さんみたいにやる気がない生徒は、早く行先が決まってほしいんですよね。教師にも成績があるんですよ! 僕は自分のクラス全員を進学させないといけないんです」
要するに先生は、私のために推薦してくれるわけではなく、自分のにとってお荷物な生徒を片付けたいのです。
それがわかり、絶対に推薦なんか断ろうと思いました。
すると、それまで黙って担任の話を聞いていた母が、私にどうするか尋ねてきました。
そして、私が自分の行きたい学校を受験すると答えると、母は担任に向かってきっぱりといったのです。
「推薦は結構です。娘が後悔しないためにも、自分で志望した学校を受験させますから。もしも、入れる学校がなければ先生にはご迷惑をおかけしないよう、親が全責任を負います」
そして、担任が帰ると母は私に言いました。
「ママはあなたを信じてるから死ぬ気でやりなさい」
この母の一言で私は燃えました!
中学生になってから勉強をほとんどしてこなかったので、手つかずの問題集が山のようにありました。
まずは中学1年生の問題集から解きまくり、中学3年生までの問題集を解き終わると、志望校の過去問題集を購入し、何十回と繰り返し勉強したのです。
努力の甲斐あって、私は無事に志望校に合格しました。
合格の報告を担任にすると「おめでとう」と言いながら、とても驚いて困惑した顔をしていました。
その顔は今も忘れられません。
ずっと後になって、母が私に言ってくれました。
「あのときは本当にうれしかった。担任の先生の言葉が悔しくてタンカを切ったけど、一心不乱で勉強しているあなたを見るたび、追い詰めてしまったかもと思いママも気が気じゃなかった」
担任の言うことよりも、私の意思を尊重してくれたこと、私も本当に感謝しています。
大切な人に信じてもらえるだけでこんなにうれしいし、頑張れるんだなとつくづく思いました。
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