<この体験記を書いた人>
ペンネーム:せみ
性別:女
年齢:44
プロフィール:44歳の夫と中学2年生の娘と暮らすパート主婦。
中学2年生の娘とテレビを見ていたところ、ポケベルの話題が取り上げられていました。
すると娘がそれを見て、不思議そうな顔をして私の方を向き「ポケベルって何? どうやって使うの?」と聞いてきたのです。
私は娘に「ポケベルは電話機から数字を送って表示できる機械だよ」と教えました。
しかし、娘は若干むっとしながら「それは知ってる」と言うのです。
私が「じゃあ、何がわかんないの?」と聞くと、娘は「数字でどうやって会話するの? どういう暗号なの?」と質問してきました。
私は今44歳で、ポケベルが世間で大流行していたときに、今の娘と同じ中学生か高校生くらいでした。
その頃は、たしか高校生女子がコギャルと呼ばれ始めた時期でもあったと記憶しています。
しかし、私はコギャル世代の一員でありながら、世間の流行に疎く、1人で漫画を読んだり、友だちと同人誌を作ったりしている子でした。
もちろん、ポケベルは持っていませんでしたし、大人になって少したってから、仕事上必要になって、ようやく携帯電話を買いました。
その事を伝えた上で、私の友だちが話していたポケベルに関する知識を娘に教えることにしたのです。
「昔は携帯電話がなかったり、あってもすごく高い物だったりしたからさ。あんまり持ってる人がいなかったの。だけど、ポケベルは数字送るだけだから、それよりは安く契約できたからさ。持ってる人が割といたの」
私が言うと、娘はうんうんと頷いていたので、説明を続けました。
「もともとは自分の固定電話の番号をポケベルに送って、公衆電話とかからその番号に電話をかけなおしてもらうっていう使い方をしてたと思うの。だけど、電話をかけなおすと通話料がかかるから、その内、数字でお互い固定電話や公衆電話から相手のポケベルへ暗号を送りあって、暗号だけで会話するようになっていったの」
記憶を頼りにざっくり説明したのです。
すると娘は、興味津々といった表情になり「ママはその暗号わかるの?」と聞いてきました。
もしかしたら、娘は今後ミステリー漫画を読んだり、謎解きアプリで遊んだりしたときに、暗号解読に役立つと思ったのかもしれません。
「残念ながら、私は全くわからないけど、ポケベル用の暗号本とか当時は売ってたね」
私が答えると、娘は少しがっかりしたようでした。
「当時も年配の人とかポケベルを持っても暗号の読み方がわからなくて、近くにいる若い子に解読してもらってたのを見かけたなあ」
私も懐かしく思いながら続けましたが、すでにポケベルに興味を失っていた娘は「そっかあ、わかった。ありがとね」と言って、この話を終わらせたのでした。
ポケベルを知らないデジタルネイティブ世代の娘。
その反応を見て、便利になった今は当時のポケベルのような使い方をする必要はないから興味がなくて当然だと、時代の流れを感じました。
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