帰省した娘に張り切って夕食を作り過ぎて...。50代になってちょっぴり理解できた母の気持ち/中道あん

20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。今回のエピソードは、ひとりぼっちで過ごすと思っていたお正月でしたが、娘さんが帰省することになり...

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「実家ってなんていいんだろう~ほんと楽しいわぁ。また帰ってくるねぇ」。

そう言って娘が玄関を出て行きました。

社会人2年目の娘が一人暮らしをはじめて1ケ月頃のこと。

年末年始をお友だちと遊ぶからと「帰省しません」宣言。

息子は会社の保養施設に宿泊して趣味の釣りを満喫するという。

ぼっち正月かぁ。

なんかちょぴり寂しい気もするが、そうだ! 私もひとりを満喫しようとおせち料理作りをやめて、ホテルのアフタヌーンティーを3日に予約をしました。

ところが年末にコロナ罹患者が増えて子供たちの予定はすべてキャンセルに。

娘は久しぶりに「帰省」しました。

ほんとは実家に帰りたくないのに、渋々帰ってくるんだろうなと思っていました。

その理由は、私が実家を嫌っていたからです。

実家からお嫁にいきました。

なのでずっとひとり暮らしに憧れをもったまま結婚生活へ。

年末年始・お盆休みになると「帰ってこい!」アピールが両家ともすごい!

どちらの実家にいつ帰るのかを決めるところからストレスでした。

普段育児と家事で時間を費やしているのに、晴れ晴れしいお正月を、嫌々実家にかえらなければならない義務感。

12月にはいると気持ちはどんどんと下がっていき「私には好きに時間を使う自由もないのか」と自分を卑下していました。

そんなに嫌なら帰らなければいいだけなのにそれが言えませんでした。

だって理由は、ただ単純に「嫌だから」だけなのです。

義務感に支配されるのがいやだったのかもしれません。

20年続けた正月の帰省でしたが、帰る実家がなくなってほっとしたのを覚えています。

なので、子供たちが自分の時間を自由に使うことを嬉しく思いますし、帰る予定のなかった帰省は、仕方なしなんだろうなと詮索しちゃってたんですよね。

それがです、1月3日に帰って行った娘からすぐに連絡があって、1週間後の3連休も帰ってくるとのこと。

帰ってくるとすぐに「あぁ~実家はええなぁ~。寒いけどこの寒さにも慣れてきた~。実家最高やわ!」。

「ひとり暮らしの方がええんちゃう?」と聞いてみると

「ひとり暮らしも楽しいよ。けど実家に帰ってくるのめちゃ楽しいわー」と。

「へえ。ママは実家が嫌いやったからその気持ちが分からんなぁ...。けど嬉しいねぇ~」など正直な気持ちを伝えました。

帰ってきても私は仕事をガンガンしていますので、話し相手になったり、買い物に付き合うわけでもないのです。

リビングで各々が好きなように過ごしています。

ただ家事は私の仕事ですがね。

娘はほぼ自炊で会社にはお弁当を持参。

休日は遊んだりして食事作りを休むこともあるでしょうが、実家では上げ膳据え膳なので嬉しいのでしょうね。

家にいる頃よりも毎度のご飯を楽しみにしている様子でした。

そんなに喜んでくれるのならばと、あれもこれもと夕飯を作りすぎて最後は子供たちに「いったい誰がこんなに食べるんよ~」と笑われてしまいました。

かつては、「もう要らんから」と断っているのに、「あれを食べ、これも食べ」や「あれあげる、これも持って帰り」と押し付けてくる母にいつも迷惑していました。

実際に自分があの時の母と同じ年齢になってみれば、「変わらない、同じだなぁ」と思うのです。

そして、母の気持ちをちょっぴり理解できるようになりました。

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中道あん


「女性の生き方ブログ!50代を 丁寧に生きる、あんさん流」主宰。Ameba公式トップブロガー。結婚22年で夫と別居。自立した人生を送るため、正社員として働きだしました。社会人の長男、大学生の長女と同居しています。要介護2の実母は3年半同居生活の後有料老人ホームにて暮らしております。

中道あんさんのブログ:アラフィフの生き方ブログ|50代を丁寧に生きる、あんさん流

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『50代、もう一度「ひとり時間」』(KADOKAWA)

20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として普通に生きてきた。でも50代になると人生の転機が頼まれもしないのに訪れる。夫との別居、母の介護、女性としての身体の変化、子どもたちの成長。そこから見つけた「ひとりの楽しみ」をあますところなく伝え続ける、「あんさん」流のアラフィフライフ。50代からの人生を前向きに過ごすためのヒントが満載。

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