<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みかん
性別:女
年齢:44
プロフィール:花粉症が収まりティッシュから解放されました。
高校生の娘はイケメンのアイドルグループが好きです。
お友だちとの会話の話題によくあがるらしく、「〇〇くんがかっこいい」や「△△くんが出てるからこのテレビを見たい」などとよく言っています。
そんな娘と一緒にテレビを見ていたときのこと。
バラエティ番組に出ているアイドルグループを見ながら「お母さんはどの人がタイプ?」と聞かれました。
その瞬間、自分が女子高生だったときの記憶がデジャヴのように蘇りました。
当時、私もテレビを見ながら母親に同じことを聞いたことがあるのです。
確かその頃の私は17歳。
娘と同じように熱狂的なファンではないですが、友だちとの会話のネタ作りや異性への憧れから、あるイケメンアイドルグループが出ているテレビをよく見ていました。
母親と夕飯を食べながら、音楽番組に出演していたイケメンアイドルグループを見ていた私は、母親に「お母さんはどの人がタイプ?」と尋ねました。
母親は迷って「この人たちの人間性を知っているわけじゃないから選べない」と真顔で言われました。
友だちとは「Aくんはおもしろいから付き合いたい」や「Bはイケメンだから自慢できる」など楽しくノリで話していることが多かったので、母親の真面目な反応に戸惑ってしまった私。
そして、「じゃあお母さんはどんな人がいいの?」と尋ねると、「誠実な人」と答えました。
誠実? 私の頭にはハテナが浮かびました。
母親の結婚相手に選んだ人は父親なので、顔が浮かびます。
真面目で無口で仕事人間で、キラキラのアイドルとは程遠い人で、私の思い描く理想の人とは違います。
今度は「あなたはどんな人がいいの?」と母親が尋ねてきました。
当時の私は片想いをしていた人や好きなアイドルを思い浮かべながら「背が高くて、面白くて、さりげなくお洒落で...」など理想を言いました。
それを聞いた母親は心配そうな顔をしています。
私は思春期真っ只中。
その表情にイラっとして話をやめてしまいました。
それから、私は理想に近い男性と数回傷つく恋愛をし、最終的に今の夫と結婚しました。
夫は真面目で嘘をつかず家族を愛してくれる誠実な人です。
父親のように無口ですが、包容力と優しさを持っています。
あのときは無価値に思えた誠実さを今は何よりも大事だと思っています。
その話を思い出した私は娘に、母親と同じように「誠実な人」と答えました。
娘はポカンとした表情です。
きっとあのときの私も同じ顔をしていたのでしょう。
いくつかの恋愛を経験し、父親や夫のように誠実な人と結ばれますようにと祈るばかりです。
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