<この体験記を書いた人>
ペンネーム:茉莉花
性別:女
年齢:51
プロフィール:アラフィフのシングルマザーです。3人の子どもがいます。
一番上の子どもが2021年の春から大学生になりました。
コロナ禍で思うように講義が受けられなかったり制約があったりしますが、それなりに大学生活を楽しんでいるようです。
かくいう私も数10年前に大学生活を謳歌していた1人です。
子どもから「お母さんはどんな学生時代を送ってたの?」と聞かれ、いろいろと話をしているうちに、思い出がどんどん甦ってきました。
その中でもとっておきのおバカ話をしたいと思います。
私が大学生の頃はバブル経済真っただ中で、世間全体が浮かれムード。
とにかく金回りが良い時代でした。
私は入学と同時に学生寮に入居し、学費等は奨学金制度を利用したとしても、他の生活費用はほぼアルバイト代で賄うことができました。
大学は非常にのどかな地域にあったので、車は生活必需品に近い感じでした。
アルバイトで貯めたお金で(中には親に出してもらった人もいるでしょうけど)まずは自動車教習所に通い、その後、車もしくはバイクを購入する学生がたくさんいました。
アルバイトでもガッツリ稼げたのがバブル時代でした。
入学して一月たった頃のある週末、寮のロビーでみんなと雑談していたら、新車(ホンダのシビック)を買って間もない男子寮の先輩から「みんなで深夜ドライブに行かない?」と誘われました。
高校卒業時まで門限厳守の厳格な父母のもとに育った私には、それが非日常的で魅力あるワクワク体験に映りました。
「行きます!」とすぐに手を上げたのは私だけ...。
結局、ドライバーの先輩の友人2人と私、計4人でその日、深夜ドライブに出かけることになりました。
真夜中のドライブは気分爽快! 窓をちょこっと開け夜風に吹かれながら私は助手席に乗せてもらって夜景を楽しみました。
何かちょっと大人になった気分? とかなり浮かれていたのを思い出します。
さて、どこへ行こうかという話になったとき「私の実家はここから3時間くらいで着きますよ」と言ってしまった私。
先輩方は「じゃあ、ゴールは茉莉花の家な!」と迷いなく賛成され一瞬焦りましたが、まあ、バレなければ大丈夫か...と私の実家目指して走ることになりました。
そして明け方4時半頃、実家の前に到着。
我が家は商店街の一角にあります。
家の中には父母や弟がいる...私だけ外にいて、先輩たちと一緒に表札を眺めている、その光景が客観的に見ると可笑しく思えて、くすくす笑いがこみ上げます。
先輩たちも「ここが茉莉花の生まれ育ったところなのか~」としみじみ言ってくれるのがまた面白かったんです。
近所迷惑にならないよう、実家からは少し離れたスーパーの駐車場に車を止めていたので、そこまで戻った頃、さすがに眠くなって皆で仮眠をしました。
しばらくするとコンコン窓を叩く音が。
え? と思って目を開けるとそこには見慣れた人、というより父の顔が...え? なんで⁉
「お前、何やっとるんじゃ! こんなとこで!」
...ああ、ここは父が通勤でいつも通る場所だということを、浮かれてすっかり忘れていたのです。
先輩方も慌てて起き、事情説明とともに父に謝罪してくれました(1人は寝たふりしていたようでしたが)。
私たちが早朝、実家の前で話をしていたことは早起きの祖母にバレていたようです。
その後私たちは実家へ行き、母に事情を話して謝罪し、なぜか朝食を食べさせてもらって帰ることになりました。
若い頃って何をしても許される...ではないけれど、無駄に楽しい時間もたくさんあったなあとしみじみ思います。
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