<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女
年齢:51
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる51歳自営業。
5年前に、当時75歳の父の右足首が感染症にかかりました。
感染症だと分かるまでに数日かかってしまい、分かったときには膿と言うのか水のような汁が流れるように出ていました。
腫れもひどく歩くのも辛そうだったこともあり、先生には入院を勧められました。
一緒に病院へ行っていた私も、少し症状が落ち着くまでは入院してもらった方が安心だと思ったのですが、病院が大嫌いな父は頑として拒みます。
そこで「毎日朝晩2回洗って保湿剤をつけること」を条件に、通院で治療していくことになったのです。
父は入院を避けられて先生の言葉に殊勝に頷いていましたが、私は「また、ポーズだ」と嫌な予感がしました。
なぜなら、父はその頃には極度の面倒臭がりになっており、自分で朝晩2回洗うなどしないだろうと思ったからです。
そして案の定、父は自分では一切洗いませんでした。
夕飯を食べに私が両親宅に行くのをじっと待っているのです。
では、自分では洗えないのかと言うと、そうではありません。
私がボディーソープで綺麗にすると、シャワーを使って足の指の間まで流すのですから。
要は、クレーターの様に凹み膿でぐちゃぐちゃの傷に触るのが嫌なのです。
そうは言っても自分の体なのだし...洗いやすいように、泡で出るボディーソープや足を乗せられる低い台も買ってきたのに...。
ある日、とうとう腹が立ってキレてしまいました。
「入院は嫌だと言ったのは自分なのだから、ちゃんと朝も洗わないと! できないと入院になるよ!」
さすがにマズイと思ったのか、自分で洗い始めたものの、効果は数日間だけ。
あっという間に「私待ち」に戻りました。
仕方なく夕方だけ洗う生活が続けていましたが、当然、病院では治りの状況から「ちゃんと洗っていない」とバレます。
そりゃそうだ、見る人が見れば分かるもんよ。
もう一度「入院しよう」って脅かしてくださいと思いながら傍らに座って聞いていると、驚いたことに、処置をしてくれていた看護師さんたちが私に苦情を言うではありませんか。
「娘さん、どうして洗ってあげないのですか?」
へっ? 私?
ちょっとムッとして「洗ってますよ」と言い返しました。
「毎日、朝晩2回洗うようにお話ししましたよね? 石鹸で洗うだけですからやってください」
看護師さんは苦い表情でキリっと。
いやいやいや、間違ってます、患者に甘すぎます。
看護師さんたちからすれば、誰でもいいから朝2回洗ってくれればいいのでしょう。
でも、怒る相手の順番が違うと思います。
「父は自分でできます。まずは本人の問題でしょう」
ついいら立って思わず声を荒げてしまいました。
すると、看護師さんたちは「あ、キレた」とばかりに動きが止まりましたが、そこは百戦錬磨の皆様。
仕切り直しも早く、何ごともなかったかのように「洗ってくださいね~」と軽い調子で念押ししてきました。
私、バカにされてる? でも、そう言うしかないんだろうなぁ。
しかし、怒りは収まらないので「はい、父に洗わせます」と答えました。
結局、その後も私が洗い続けたんですけどね...はぁ。
関連の体験記:目を疑うって、まさにこのこと。教師として真面目一筋で生きてきた78歳の父がパチンコ店に...
関連の体験記:夫の実家の異様な食事風景。座ることも許されず壁に向かって立たされた私/かづ
関連の体験記:長年連れ添って今さら!? 食事中に夫がテレビを見ながらボソッと「料理が味気ない」
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。